『弱虫ペダル』作者「ジャンプからの戦力外通告で気持ちが切り替わった」
カラフルなボルダリング壁が一面を占める車庫にはロードバイクのフレームが並ぶ。実はここ、大ヒット漫画『弱虫ペダル』の作者・渡辺航氏のアトリエである。5月には『少年チャンピオン』掲載作として39年ぶりの講談社漫画賞(少年部門)を受賞。8月28日には『劇場版 弱虫ペダル』が公開される。40巻を超えてなお加速する同作の根底には、アスリートのように心身を磨く作者自身の日常があった!
――『弱虫ペダル』などのヒットで、アラフォーで一気にブレイクした渡辺さんですが、それまでには試練もあったと聞いています。
渡辺:僕としては試練をかいくぐってきた覚えはないんですよね。例えばどのあたりの話でしょう?
――ある作品の連載中に、編集部の意向で別の作品を描いたら、最終的にどちらも打ち切られたとか……。
渡辺:みんな好きですよね、そういう話(笑)。まぁ「なんでだよ!」と思うこともありましたが、そんなにマイナスには捉えていないんです。むしろ、自分の中では結構ラッキーだなと思いながらやってきました。
――その道のりを振り返っていただけますか。
渡辺:僕は『週刊少年ジャンプ』っ子だったので、15歳で賞をもらったとき、すぐに『ジャンプ』で連載できると思っていたんです。ところが、若い作家さんがどんどんデビューしていくなかで自分は連載が取れない。当時は「担当者が悪い」と思ったり、奇想天外なアイデアに走ったりしましたが、そんなものは小手先でしかない。後になって考えると、答えはシンプル。ただの努力不足ですよ。
――“努力不足”だった当時の自分から、気持ちが切り替わったきっかけは何だったのでしょう?
渡辺:『ジャンプ』から戦力外通告を受けたことですね。編集さんに「青年誌を紹介するよ」と言われて、「答えを保留させてください」といったん引き下がったんですが、1週間たって初めて「もう自分の夢は叶わないんだな」と気づいて。それから半年は漫画が描けなかった。そこで、もう一度自分の胸に「青年誌に行きたいか?」と聞いてみたとき、「自分が心焦がしたのは少年漫画だから、もう一度少年誌で描きたい」と。
――漫画家を辞めたいとは思わなかったんでしょうか?
渡辺:ないですね。やっぱり漫画は面白いんですよ。テレビや映画はどこからか制限がかかるし、イラストや写真だって、雑誌に掲載される以上はトリミングされたり、文字が載ったりして、どこか改ざんされるじゃないですか。でも、漫画は描いたものがほとんど全部そのままで届く。しかもあの情報量。自分の伝えたい熱がそのまま伝わるんです。こんなすごいメディアはほかにないなと。
このあと、インタビューはまだまだ続きますが、この続きは8/25発売の週刊SPA!に掲載されているインタビュー連載『エッジな人々』にてご覧ください。なお、カラフルなボルタリング壁やロードバイクの写真、そして『弱虫ペダル』の原画も同ページに特別掲載中! 〈取材・文/山脇麻生 撮影/アライテツヤ © 渡辺 航(週刊少年チャンピオン)〉
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