更新日:2019年10月29日 10:31
エンタメ

ドラえもん、ガンダム、キン肉マン…テレビアニメの劇場版全盛期だった80年代を終わらせたアニメ映画とは?

サントラを耳にするだけで、ワンシーンを目にするだけで当時の記憶を呼び戻す映画がある。今日でも名画として愛される作品が数多く生まれた80年代、あなたにとっての特別な映画はなんですか? セーラー服と機関銃 80年代の邦画は同時代のテレビ業界と直結していた。角川春樹プロデュースによる、いわゆる“角川映画”の台頭(『セーラー服と機関銃』『Wの悲劇』など)をはじめ、テレビでおなじみのアイドルが主演する“アイドル映画”の出現(『ハイティーン・ブギ』『TAN TANたぬき』など)、続々スクリーン進出したテレビアニメ(『ドラえもん のび太の恐竜』『ヤマトよ永遠に』など)、さらにはテレビ局主導による動物映画の大ヒット(『子猫物語』『南極物語』など)。これらは、すべてテレビ業界の仕掛けに乗っかったものだった。  当時、メディアといえば、テレビか雑誌、という「電波vs紙」の媒体戦争のまっただ中。そこに載っているものは自動的に人気を得るという、単純なヒットの法則しかなかった。  加えて、パワフルな洋画勢の台頭によって邦画人気には陰りがあり、作家性の強い邦画は話題にこそなれど、ヒットは難しかった。それこそ『鬼龍院花子の生涯』や『楢山節考』などの名作が生まれた時代だが、それでもアイドルや動物、アニメにはかなわない、というのが興行成績にも表れてしまっている。 鬼龍院花子の生涯 そんななか、異彩を放ったのが伊丹十三。『タンポポ』や『マルサの女』を社会現象にまでした天才映画作家の出現は、こういった流れの邦画界においてまったく違う色を放った。惜しいことにこういった映画作家が彼以降はいないのでは?  いや、一人いた。80年代後期に自身のスタジオ、「スタジオジブリ」を立ち上げた宮崎駿だ。ジブリ以前から『ルパン三世 カリオストロの城』などで話題をさらった彼が、自身のスタジオで放った3作目『魔女の宅急便』で、ついに年間ランキングのトップを記録。テレビアニメの劇場版全盛だった80年代を終わらせたのは、その後のジブリを見れば明らかだろう。 魔女の宅急便
次のページ right-delta
80年代邦画ランキング
1
2
80's青春男大百科

マイケル富岡、向谷実ほか80年代を象徴する人物たちの貴重な証言。さらにはカルチャー、アイテム、ガジェットで、世の中がバブル景気に突入する直前のあの時代を振り返る!

おすすめ記事