ケツおじさんに暴力保育園…ノンフィクション・グルメマンガ『ゴハンスキー』の清野とおるが幼少期のトラウマ体験を語る
週刊SPA!で連載中のノンフィクション・グルメマンガ『ゴハンスキー』が「なんだかヤバい」と話題になっている。
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先日、日刊SPA!で特別公開した「トラウマ飯」の回では、イカれた園長の支配する地獄の保育園で、パイナップルを犬食いさせられた壮絶体験を綴ったものだったが、今回はそんな幼少期のトラウマ体験と生い立ちを、清野とおる先生自身に振り返ってもらった。
1980年に東京都板橋区に生まれた清野氏。同区内の地獄の保育園に通った経験は、「パイナップルのトラウマ以外にも人格形成で多大なマイナスの影響を受けた(笑)」とのこと。
「暴力は日常茶飯事でしたし、無実の罪で土下座を強要させられたこともありました。あと『トラウマ飯』の回で、パンツ一丁で鶏小屋に閉じ込められた話も書きましたが、服を脱がすのも奴らの常套手段。お昼寝の時間に寝ない園児は、下半身を丸裸にされて外に立たされるんですよ。なぜか全裸にはしないところが、今振り返ると怖いです」
また小学校低学年の頃には、神社で手淫をする「射精おじさん」、白いブリーフ一丁で塀からケツだけを突き出して、子供たちに発見されるのを待っている「ケツおじさん」などの変態とも遭遇している。
「当時の僕には手淫という概念はなかったので、『射精おじさん』には驚きでしたよ。当たり前のように全裸でシコッてましたし、何回も遭遇しましたから。一方で、今振り返ると『ケツおじさん』は少し実在するのか怪しい。白いブリーフ一丁で、黒の革靴を履いていて、黒のアタッシュケースを持っていたんですが、少しキャラとしてできすぎている気がするんですよ。一緒に目撃したはずの人に会って、真相を確かめてみたいですね」
このような壮絶体験には、清野氏の描く不条理ギャグのルーツを見て取ることもできそうだが、一方で当時は普通の少年マンガも愛読していた。
「最初に好きになったのは『ドラゴンボール』で、保育園か小学校1年生くらいの頃から読んでいました。小6の頃から読んだ『珍遊記』も大好きでしたね。でも『スラムダンク』と『ジョジョの奇妙な冒険』は世界観に入り込めず、読もうとしても1巻目で挫折してしまいました。『幽☆遊☆白書』も子供の頃は読めなかったんですが、30歳を過ぎてから読み返したらスゴい面白かったです」
また清野氏には、漫画に興味を持つ大きなきっかけが一つあった。
「叔父が漫画やイラストの仕事をやっていたんですよ。僕の家族と一緒に住んでいて、家で仕事をしていたので、興味津々で見つめていましたし、自分で描いてみたりもしていました」
叔父が漫画家で、その影響で自身も漫画家を目指す……という生い立ちは、マンガに賭ける青春を描いた『バクマン。』にそっくりだ。「清野さんもマンガ家を目指して熱き青春を送っていたのか?」と聞いたら、「まったくそんなことはないですよ」とのこと。
「高校生の頃、ヤンマガとかヤンジャンを読んでいて新人賞募集のページが目に入ったんですよ。賞金が50万円とか100万円とか書いてあって、『あ、お金もらえるんだ』と気づいたことが、マンガ家を目指したきっかけですね。カネですよカネ。その頃はスーパーで時給800円の過酷な労働を強いられていたので、ちょっとマンガを描いただけで100万円をもらえるなんて、どれだけ素敵な話なんだと」
清野氏がマンガに深くハマるまでの経緯や、後に『ウヒョッ!東京都北区赤羽』で描くことになる赤羽との関わりは、また次回にお届けしよう!
なお『ゴハンスキー』単行本は10月9日に発売ということで、こちらも要チェックです。 <取材・文/古澤誠一郎>
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