更新日:2017年11月15日 17:50
スポーツ

美人ラート選手・松浦佑希「身体感覚と向き合いながら、その感覚の変化を楽しむのがラートの魅力」

~もぎたて!女子アスリート最前線 第7回~
ラート・松浦佑希

松浦佑希さん

 宇宙空間を遊泳する宇宙飛行士のように、大きな輪を二つの平行に付けた機具を使い、三次元の動きを体現するラート。ドイツ発祥で正式にはルーンラートという。全日本選手権で、キャリア2年目にして総合優勝を果たした松浦佑希選手を直撃した。 松浦:3歳からスポーツクラブ(ピープル)の体操教室に入りました。入るきっかけは活発すぎ、かなり動き回ってたいへんだったそうで親も困っていたところからでした。そこから先生の薦めで小学5年からは池谷幸雄体操クラブに所属し、順調に進んでいました。が、体重制限もあり、中学生になるぐらいに摂食障害になり体のバランスを崩してしまうと、更に平均台の練習中の怪我で選手生命の危機に。ありえない方向への体の捻りにより肘を脱臼骨折してしまいました。  回復して完全復帰まで1年を要し、いざ戻ってもその恐怖感が取れず。体操競技は好きだからやりたい気持ちと怖くて「やりたくない」という気持ちが葛藤していた。聖望学園高等学校に進学してもケガに泣かされ、恐怖感をぬぐえることはなかったが、大学受験に失敗し浪人をしたときに彼女の人生が変わった。 松浦:この期間勉強もあって競技から離れ自分を見つめなおすことができたんです。「やらされる環境から自分でやる環境へ変化した」ことで「やっぱり体操って楽しいな」と感じたことで長年の恐怖感からの脱却ができました。今振り返っても「この1年が無かったらどうなっていたか」と感じるぐらい重要でしたね。  受験のために体操のイベントに行ったときにラートと出会う。「体操に似ていて面白そう」と感じ、進学した筑波大学でラートを始めることになった。 ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=950230 ラート・松浦佑希ラート・松浦佑希ラート・松浦佑希ラート・松浦佑希ラート・松浦佑希松浦:ラートの面白さは自分自身の身体感覚と向き合いながら、その感覚の変化を楽しめることです。2012年全日本ラート競技選手権では個人総合優勝し、翌年2013年7月のシカゴでの世界選手権で初の世界大会出場で今までにないぐらい楽しく演技ができ、「またこの舞台に戻ってきたいな」と感じました。  2014年に開催された世界ラート競技チームカップでは団体メンバーとして優勝し、全日本では個人総合で3連覇を果たした。そして今年の世界選手権出場を果たすも、個人総合では9位、また、大きな失敗をしてしまいわずかに点数が足らず、種目別決勝に進めなかった。このことはラート競技を始めてから、「本当に悔しい」と感じたそうで「今までに抱いたことのないような気持ち」にもなったという。「今後は大学教員を目指し勉学に励みつつも競技でも世界を目指す」と答えてくれた彼女の今後に期待したい。〈取材・撮影/丸山剛史〉 ■もぎたて!女子アスリート最前線 女性競技者たちのまっすぐな眼差しとひたむきな姿勢は、メイク、衣装いらずの素材美そのもの。てっぺんを目指して邁進する明日のスターの、飾らない美しさをお届けする。
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