「ダサい人」と「雰囲気イケメン」が決定的に異なる3つのポイントとは?
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第46回目をよろしくお願いします。
おしゃれな人はなぜ「おしゃれに見える」のでしょうか? 「顔がいいから」「スタイルがいいから」なんて声が聞こえてきそうですが、決してそうではありません。不細工でも胴長短足でもおしゃれな人はたくさんいます。ショップスタッフはとくにそう。パッと見はカッコよく見えるけど、よくよく見ると体型も顔もさほどでもない「雰囲気イケメン」が多い。では、なぜ「雰囲気イケメン」に見せることができるのでしょうか? 今日は「ダサい人」と「おしゃれに見える人」「雰囲気イケメン」の違いを「服の選び方と考え方」から分析していきます。
▼雰囲気イケメンに見せるルール①
「『似合うor似合わない』ではなく『バランスが取りやすいor取りにくい』を重視」
「あの人はなんでも似合う」「なんでもサマになって羨ましいな」――おしゃれな人に対してそう思ったことはないでしょうか? しかし、そもそも「似合う、似合わない」とは一体なんでしょうか? 渋谷にある洋服屋をめぐれば「不細工でも洋服が似合う店員」は山ほどいますし、「胴長短足でもロングコートを着こなす店員」も星の数ほどいます。実は、顔や体型は「似合う、似合わない」の決定打にはならないのです。
では、何かというと、バランスです。「トップスとボトムスのシルエットのバランスが取れているか?」「靴とパンツの色合わせがうまくいっているか?」。コーディネートは全体を構築する「組み合わせ」です。組み合わせが正しいバランスで成り立っていれば、どんな人でもそれなりにまとまります。顔や体型によって服が「似合う、似合わない」なんて話は、世の中で思われているほど重要ではないのです。
むしろ、重要なのは「整ったバランス」です。例えば「制服」は上下揃った完成度の高いスタイルが多いのですが、高校生や警察官や駅員……なんでもいいのですが、「この人制服が似合わないなー」と思ったことはありますか? ほとんどないはずです。制服を着れば、みな高校生に見えるし、警察官に見えるし、駅員に見えるものです。バランスが整った服に「似合わない」なんてものはそうそう存在しないのです。
おしゃれな人は「バランス」を常に意識しています。安易に「似合う、似合わない論」に逃げることはありません。多くの人は洋服屋に行って「自分に似合うもの」を探そうとするのですが、定義がハッキリしていない「似合うもの」を探すことはほぼ不可能です。あげく、店員に言いくるめられて無駄な買い物をしてしまうなんてことも。
バランスの取り方はこれまでの連載で語ってきたとおりですし、私の書籍『最速でおしゃれに見せる方法』ではありとあらゆる「バランスの取り方」が掲載されています。これらを知ることで、買い物は「似合う、似合わない」の感覚的で不明瞭な判断基準から解き放たれ、常に「バランスを整えるために」構築的で論理的な判断基準で「選ぶ」ことになります。おしゃれな人は服選びが「似合う、似合わない」ではなく、「バランスが取りやすい、取りにくい」であることを知っているのです。
▼雰囲気イケメンに見せるルール②
「『趣味』と『おしゃれ』を分けて考える」
「軍ものが大好き」「アメカジが大好き」――「ダサい人」は、それらの趣味嗜好を「街着」に取り入れようとします。男性はついつい趣味に走って収集癖が出てしまったり、偏ったりしがち。「ミリタリー」は趣味としては大変結構ですが、だからといって普段着に全身ミリタリーを着ることは「おしゃれ」ではありません。
「おしゃれ」とは客観的な見た目の評価によって成り立つものです。「外から見たときに一体どんな服装、シルエット、色使いがカッコよく見えるのか?」がすべてです。趣味とは切り離して考えるべきです。
ヴィンテージデニムの色落ち感は単品としては非常にカッコいいものですし、職人技の結晶である細かい装飾の入ったシルバーアクセサリーは芸術品です。しかし、それら単体の美しさと全体のバランスはまったくの別ものです。全身アメカジやシルバーアクセサリーをゴチャゴチャつけるような着こなしは、おしゃれに見せるハードルを自ら上げているようなもの。「趣味」と「おしゃれ」は切り離して考えることを、おしゃれな人は明確に理解しています。
▼雰囲気イケメンに見せるルール③
「ブランド品に媚びない」
「ブランド品だからいいもの」「ユニクロだからダメ」――雑誌などの影響で洋服を選ぶ判断基準は「イメージ」に左右されがちです。であるからこそ、ついつい「ブランドネーム」を判断基準にする人は多い。しかし上述のとおりコーディネートはバランスです。またおしゃれは「客観的な見た目の評価」なので、別にブランド品だから「おしゃれ」であるわけではありません。それどころか、無駄に「○○産の希少な素材」だったり「プロ登山家が使うハイスペックなアウター」だったり、質を重視しすぎた結果、多くの場合が自己満足に陥ります。もちろん自己満足は「趣味」としては大変結構なのですが、客観的な見た目に作用しないのであれば、おしゃれとしては意味がありません。
だからこそおしゃれな人はブランドを気にせず買い物をします。たとえユニクロであっても、「いいもの」であれば垣根なく買います。ショップスタッフは声高に「ユニクロを着ています」「無印良品の服を愛用しています」とは絶対に言いませんが、実は「ニットはユニクロ」「シャツは無印」なんて人は数多くいます。ブランド戦略に踊らされて、洋服をタグで判断する必要なんてありません。
9月17日に発売した『最速でおしゃれに見せる方法』では上記のような「バランスのとれたおしゃれ」を最速で実現する方法をいくつも載せています。お陰様でamazonファッションカテゴリではベストセラー1位を獲得。興味ある方はぜひ手にとってみてください。 <文/MB>ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)『MBの偏愛ブランド図鑑』 今着るべきブランド60の歴史や特色を、自身が愛用する品とともに徹底紹介 |
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