スポーツ

所属先がお寺! 覚えておきたいリオ五輪カヌー日本代表・矢澤一輝選手

~フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第17回~ ※前回の話…スポーツ好きブロガーのフモフモ編集長が、東京五輪でチケットが買えそうな穴場競技探訪へと出かけました。今回の穴場候補はカヌー。以前にボートを取材したものの、イマイチ「ボート」と「カヌー」の差がわからない。そんな思いを胸に抱きながら、奥多摩方面へと向かったフモフモ編集長は、山奥の渓流で迫力あるカヌー競技の魅力に開眼するのであった……。  どこを切り取ってもカッコいい。  キラキラした激流がカッコいい。  ただ見ているだけでも十分楽しいのですが、この日は有力選手を間近で目撃することもできました。すでにリオ五輪の代表入りを決めている、矢澤一輝さん、矢澤亜季さんのおふたり。苗字でお気づきでしょうか、このおふたりは実の兄妹。お兄さんはリオで3大会連続出場となる実績ある選手で、妹さんはリオが初の五輪となります。  お兄さんの一輝さん。  妹の亜季さん。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=978978 「兄妹で五輪」というだけでもすごいのですが、もっとすごいのがお兄さんのお仕事。もともとは大学までで一線を退き、就職後は国内大会を中心に参加しようと思っていたそうなのです。しかし、いざ大会に出てみると「意外にやれるな」という手応えを感じたそうで、働きながらでもできるだろうと一線への復帰を決めたのだとか。で、現在は実業団に所属しながらの競技生活なのですが……。  所属先:「善光寺 大勧進」  まさかの寺。ボーズなのにカヌー。カヌーに乗っているときには坊主っぽさはまったくありませんが、ヘルメットを脱ぐと確かに頭は剃り上げてあります。「誰かが川で溺れても坊主の手配がすぐできますね!」なんてヒザをポンと叩きたくなるような所属先の記載、これはリオ五輪でも話題になりそうです。「死ぬ気でやります!」から始まる「さて、死とは」という説話みたいな試合への意気込みとか、リオの巨大キリスト像に向かって読経する朝のおつとめとか、「三途の川に比べれば大した川じゃないです」みたいな仏門ヒーローインタビューとか。覚えておきたいキャラクターじゃないですか。  ちなみに妹さんは飛行機の会社で働きながらの競技生活。  お兄さんは出家して一度は一線を退き、妹さんは就職先が見つからなくてJOCに就職先を斡旋してもらっての飛行機会社入りだとのこと。「カヌーというのは続けること自体が大変な競技なのだなぁ」と思いつつ、「穴だな」という手応えも強くわいてきます。お兄さんは五輪9位の実績があり、妹さんは日本選手権4連覇の実績がある。掛け値なしの日本のトップ選手でありながら、カヌーを続けること自体に苦労している。  それはつまり、観る人・応援する人の数が少ないということ。序盤に感じたとおり、「これがマックスのにぎわい」だったに違いありません。マックスでないにせよ、東京でカヌー・スラロームをすごく見たいと思っている人はいいとこ数百人規模なのでしょう。トップ選手が集う機会なのですから、熱心なファンの大半は会場にきているはず。チケット争奪のライバルは極めて少ないと見ました。  さらに、このカヌー・スラロームは会場としても穴候補。2020年東京五輪では東京湾の埋め立て地に「海の森水上競技場」を新設し、ボート・カヌー競技を行なう予定になっているのですが、このスラローム種目だけはポツンと別会場での開催。激流が必要なことから、葛西臨海公園の外れにスラローム用のコースだけを別途設置する計画となっているのです。  スラロームだけ別ということは「ボートと間違って観にくる客」も絶無ということ。2015年の御嶽渓谷に集まった人が、そのまんま2020年の葛西臨海公園に来るだけじゃなかろうかという強い予感がします。世間がボートとカヌーの違いを調べている間に、ズバッとカヌー・スラロームを選ぶことができたら、チケット争奪戦も優位に展開することができるのではないでしょうか。  これで競技場建設の資金面で揉めたりして、「いいやもう、川原の岩場でやっちゃえ」となったなら最高です。人出も今回の視察程度となるでしょうし、最前列の岩で観戦できることは確実。会場も穴、人気面でも穴、そのわりに競技自体は面白い。これは優秀な穴と呼ばざるを得ません。カヌー・スラローム、オススメです。  ちなみに、この辺の岩場は滑るので危ないそうです。観戦は自己責任で。  落枝・落石もあって危ないそうです。自己責任で通行してください。  警察と母の会も連名で危ないと言っています。あくまでも自己責任で。  東京都も危ないと言っています。誰も助けないので、自己責任で観戦を。
自由すぎるオリンピック観戦術

スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本

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