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「人生初の免許は船でした」女性バスフィッシングプロ選手・疋田星奈

~もぎたて!女子アスリート最前線 第9回~  今年アメリカで行われた「バスマスタークラシック」の優勝賞金は30万ドル(約3600万円)。その他、賞金10万ドル規模の大会が多数存在するなど、知られざる高額賞金獲得のチャンスがあるバスフィッシングの世界。  ギャル風メイクと色鮮やかなネイルで、一見するとアスリートとは無縁に思える疋田星奈さんは、押しも押されぬ女性バスプロ選手だ。幼いころから父の教育でアウトドア系のスポーツは何でもこなしたという彼女。3歳の頃に始めたバスフィッシングの才能を父親が見込み、小学1年生からは釣り一本に絞り本格的に始めることとなった。
バスフィッシング・疋田星奈

ひきだ・せいな

 始めたころ、女子は誰もいなかった。中学1年のときに出場した「NBCジュニアトーナメント」に、女子としては初参加でいきなり5位という快挙をなしとげるも「周りが男ばかりで肩身が狭かった」と振り返る。  そしてこの年の「ジュニアインターハイ」は繰り上げで出場するも一匹も釣れず悔しい思いをする。この経験から「負けたくない」という意識が芽生え、翌年には準優勝。「人生初の免許が船でした」と語るとおり、高校1年のときにはボートの免許を取得。「一年を通して何をやってもいい感じだった」と語るとおり、インターハイ初優勝と順調に成績を伸ばしていき、今までの釣り人生のなかで一番といっていいフィッシングが「2009年NBC琵琶湖チャプター」でスタートから1時間経過したときに訪れる。 「『何かわからないけどそこに投げろ』みたいな直感があり、投げてみると50㎝オーバーを立て続けに3回も釣りました。わずか15分の出来事でしたね」  大会はジュニアで優勝。大人を入れても4位に入る成績だった。高校卒業と同時にプロに転向し、メガバスに就職。1年目こそ成績を出すが、翌年からは徐々に成績が落ちていく。 「いま考えると、そのころからSNSを始めて、ブログで自分の試合の成績を書かないという義務感から、悪かったりすると『書きたくない』という気持ちになりコンディションが落ちたのが原因だったかもしれません。今までにはなかった色んなプレッシャーや釣り以外の活動(イベントやプロモーション)が増えていき、『いいことなんだけど釣り人としてどうなんだろう』と考えるとあまり良くないなと」 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=981555  思い切って2013年に休業し会社も退社。釣りへの取り組み方や自分の気持ちを確かめる。昨年復帰した時には自分の中で意識が変わったようで、「プレッシャーも楽しめるようになった」と語る彼女。28歳までに「JB TOP50」での優勝をめざし、今後もシリーズに参戦していく予定だ。〈取材・撮影/丸山剛史〉 疋田星奈『女子バスプロブログ』 http://ameblo.jp/91919191919191919191/ 『sena★collections』http://seina.cart.fc2.com ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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