更新日:2016年01月08日 16:19
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酒を飲むと他人に迷惑をかける人は「アルコール依存症予備軍」

来る日も来る日も酒が飲めた年末年始。寝落ち、階段落ち、所持品紛失、二日酔い、嘔吐、果ては警察沙汰まで……そうならないために、精神科医・仮屋暢聡氏から、覚えておきたい泥酔予防対策を伺ってみた。

他人に迷惑をかける飲み方はアルコール依存症予備軍!

他人に迷惑をかける飲み方は「アルコール依存症予備軍」 そもそもなぜ、人は酔うのか。そのメカニズムをアルコール依存に関する著書などもある東京・新宿「まいんずタワーメンタルクリニック」院長の仮屋暢聡氏に聞いた。 「泥酔して記憶がないのは、脳がアルコール漬けになって機能しないからです。飲めば飲むほど、人間のアルコールへの耐性は上がりますが、日本人の場合、例えば1合の日本酒を分解し切るには2時間が必要といわれています。それを超えるペースで飲み続ければ、動脈を介して循環したアルコールが脳にも浸透し、まず記憶を司る『海馬』の動きを鈍くします」。この海馬が一時停止に陥った状態が、泥酔による記憶喪失だ。 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=996623 脳とアルコールの関係 酔った末に暴行に走る人の脳の仕組みも見てみよう。 「アルコールには沈静化機能があるため、記憶喪失時は寝てしまう人が多いのですが、中には過去の記憶(例えば上司に責められて嫌な思いをした)が情動反応を司る『扁桃体』を刺激して怒りとして表れ、暴れる人もいます。激情を抑えきれないのは、海馬の動きが鈍っていることも理由です」  また起きたら前夜の記憶は全くないのに、きちんと電車に乗って帰ってきていた、という人の体験談を耳にすることも多いが「海馬が機能しなくても、時間をかけて培われた長期記憶は保たれているからでしょう。ただ習慣で帰れたとしても、注意力が散漫で危険であることに違いはありません」。  どうすれば泥酔せずに済むのか。 「まずは血中のアルコール濃度を急激に上げないことです。一気飲みしない、チェイサーを用意する、会話を楽しんでゆっくり飲むだけでも、悪酔いは避けられます。飲酒量を把握しづらい“ちゃんぽん飲み”もやめましょう」  毎回泥酔してしまう人はアルコール依存症の可能性もあるため病院で治療を受けてみては、と仮屋先生。酒の失態と笑って済まさずに、真剣に考えたい問題だ。 ●脳とアルコールの関係 ・海馬…知覚情報を記憶。酔って記憶をなくすのはアルコールでここが麻痺して生じる症状 ・扁桃体…感情の中心。酔って怒る、泣くなどはここが刺激されて発生する ・前頭前野…脳の司令塔。人間らしい思考や認知機能を司る。大量飲酒で脳は溶け、委縮する ・視床下部…ホルモンの放出を調整。ダメージを受けると頭痛、下痢、手足のしびれなどが現れる <アルコール依存症の可能性チェック> Q.最近6か月の間に次のようなことがありましたか? (1)食事は一日3回、ほぼ規則的にとっている (2)糖尿病、肝臓病、心臓病と診断され、その治療を受けたことがある (3)酒を飲まないと寝つけないことが多い (4)二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがときどきある (5)酒をやめる必要性を感じたことがある (6)酒を飲まなければいい人だとよく言われる (7)家族に隠すようにして酒を飲むことがある (8)酒が切れたときに、汗が出たり、手が震えたり、いらいらや不眠など苦しいことがある (9)朝酒や昼酒の経験が何度かある <結果> チェックの数・1~3個⇒要注意(質問1のみ1点の場合は正常) チェックの数・4個以上⇒アルコール依存症の疑い 【仮屋暢聡氏】 1957年生まれ。精神科医。著書に『アルコール依存の人はなぜ大事なときに飲んでしまうのか』(CCCメディアハウス)などがある。うつ病に関する著述も多数 取材・文/SPA!泥酔現場取材班
アルコール依存の人はなぜ大事なときに飲んでしまうのか

アルコール依存から脱する方法や、あなたの周囲の人がアルコール依存かもしれないと感じたときの対処法などについても、わかりやすく説明しています。

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