[上から目線野郎]に負けない方法
◆上から目線の猛者たちと戦ってきたプロが語る!
「上から目線の人に出会ったら、できるだけ近寄らないのが一番です。ただ、難しいですよね」と笑いながら語るのは、コンサルティングファームや産業再生機構などに勤務し、さまざまな職場の問題点の解決に取り組んできた出口知史氏。上から目線の扱いにくい人たちに何人も遭遇してきたという出口氏に、彼らとのうまい付き合い方を聞いてみた。
「一番ラクなのは良い部分を探し出して、素直に白旗をあげてしまうという手。相手が上から目線で対応してきたら、まずその態度をする根拠を見定めます。経験や実績、個性など自分にないものを持っていることそれ自体をリスペクトした上で、『へぇ、すごいですね!』『さすがです!』などと、相手の言い分を素直に受け止めます。ヘタに戦うよりは、ストレスも労力も少ないのでラクですよ」
確かにいちいち相手の意見を否定したり、論議したりして、無駄な時間や怒りを感じるくらいなら、おとなしく相手の言うことを聞いたほうがスムーズに進む気もする。
「ただ、ここで忘れないでほしいのが、『自分の意見を常に持っておくこと』! 上から目線の人たちは基本的に押しが強いんですよ。
『君はどう思ってるの?』などと聞かれたときにロクに返事できないと、相手に『言いなりになるヤツだ』と舐められて、食い物にされます。反論すべきところはちゃんと反論する。間違っていたら直せばいい。常に毅然とした態度で接するように心がけましょう」
だが、場合によっては、どうしても許せないことや、自分が彼らのせいで不利益をこうむることもあるだろう。その場合、どう対処するのが望ましいのだろうか?
「僕の場合は上司などその人に注意を与えられる人に、しれっと伝えるようにしています。難しいのは、伝えるタイミング。会議中に言うものでもないから、飲み会の乾杯前のひと時とか、エレベーターで偶然上司と一緒になったときなど、機会を見つけて行動します。突然訪れるその瞬間に自分がなにを伝えるべきなのか、要点を整理しておくこと。常に万全の態勢を整え、相手に反撃するチャンスを逃さないようにしましょう」
相手のペースに甘んじず常に策を持てということ。検討を祈る!
【出口知史氏】
経営戦略コンサルタント。多数の企業で現場経験を持つ。共著書に『「困った人」の説得術』(日本経済新聞出版社)
― [上から目線野郎]を撃退する処方箋【11】 ―
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