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「ペットの死は人の死よりも辛い」周囲に理解されず、うつ病を発症

その不調[4月病]

ペットロスでうつ発症!「誰もわかってくれない」

 家族や身近な人との永遠の別れは、深い悲しみとなって心にのしかかってくる。厚生労働省の人口動態統計によると、1年のうち、12月から3月にかけて死亡者数が急増。とくにこの時期に多いのが激しい寒暖差によって血圧などが大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす“ヒートショック”だ。体力が衰えているアラフォーの親世代の高齢者を中心に、年間1万人以上が死に至る。そして、これは人間に限った話ではない。ペットの犬や猫、鳥にとっても、激しい温度差は突然死の要因となる。このような、冬場から春先にかけて大切な家族を失ったことをきっかけに、「喪失うつ」に陥る例も多いのだ。
その不調[4月病]

【月別死亡者数(人)】12~3月は年間で最も死亡者数が増える。(’16年7月~’17年6月 厚生労働省発表人口動態より作成)ヒートショックによる突然死も多い

 青木清隆さん(仮名・37歳・IT関連)がうつ病を発症する原因になったのは、かわいがっていた愛猫の突然の死だった。 「もともと高齢で体が弱っていたこともありますが、ペット用のヒーターを取り換えていた最中に突然動かなくなったんです。慌てて病院に行ったが、手遅れで……。一人暮らしの僕に15年もの間寄り添ってくれて、もはやその存在は家族同然です。心にポッカリ大きな穴が開いたようで、仕事も食事も手につかないし、部下を呼ぶときに間違って“ミーコ”ってペットの名前で呼んでしまったり。正直、親戚が亡くなるよりもよっぽど悲しかった」  ペットロスで苦しむ青木さんにさらに追い打ちをかけたのが、職場や友人など周囲の反応だった。 「同僚や友人が心配して頻繋に声をかけてくれたんですが、事情を話すと皆一様に『なんだペットかよ』と肩すかしをくらったような反応をするんです。自分にとっては家族なのに、それをわかってもらえないのが余計に辛い。仕事中も家でもふとしたときに涙が溢れ出て、1か月で7kgほどやせてしまいました」
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ペットの死は、よりうつ状態に陥りやすい
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