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うつ病と決めつけないで…春先に体調不良を起こしやすいワケ

 転勤、転職、昇進、異動、妻の仕事復帰、子供の進学……。春先は仕事環境や生活環境が大きく変化する時期。環境変化に対応すべく努力をするもののストレスをため込んでしまい、その反動で連休明けころから無気力状態に陥ってしまうのが5月病だ。うつ病予備軍ともいわれる5月病だが、最近その症状は多様化&前倒しになっていると産業医の大室正志氏は分析する。そこで、4月のさまざまな不安要素について、実際の症例を分析しながらその対策を考えていく。 その不調[4月病]

昼と夜の温度差が体調に及ぼす影響は甚大だった

 春先は特に天候の変化が激しい季節。暖かいと思って薄着で出かけたら、夜になって冷え込んで風邪をひいた、なんて話はよくあるが、風邪では済まない体調不良を引き起こすことも多いのだ。 「低気圧と高気圧が交互に日本付近を西から東に通過する3~5月は、一日の最低気温と最高気温の差が10℃近くになることもあります。人間の体は、気温が低いときには体を温めようとするし、気温が高いときには体を冷やそうとする。温度差が激しいと、体温調節に体内エネルギーが使われ、外からのストレスに負けやすい状態になり気持ちが落ち込んだりめまいになったりするんです」とうつ・自律神経専門整体院健療院グループの鈴木直人氏。
その不調[4月病]

【最低気温と最高気温の差の平均】特に4月は、最低気温と最高気温の差が10℃以上になる日も少なくないのだ(’17年3月~’18年2月気象庁のデータを基に作成)

「春先の気温や気圧の変化による落ち込みやめまいは、体温調節にエネルギーがとられ、体の中に取り込む酸素の量が低下してエネルギーが産みにくくなることで起こります。ただでさえ4月は生活環境の変化でストレスが加わり、ダブルパンチになります」  春先の体調不良、不眠、気分の落ち込みに悩まされてきた飯田博人さん(仮名・40歳)は語る。 「ネットでいろいろ調べた結果、うつ症状だと思って心療内科を受診。睡眠薬を処方してもらったのですがあまり効果はなく途方に暮れていました。でも、あるとき、温度変化が自律神経に影響を及ぼすことを本で知り、体調が悪くなる日の温度変化を調べてみたところ、相関関係があることがわかったのです。それからは自律神経を整えるマッサージや運動を心がけています。症状が完治したわけではないですが、原因がわかったことで精神的に随分楽になりました」  春先の不調は早計にうつ病と決めつけず、因果関係を調べるのがいいかもしれない。 体調不良― その不調[4月病]! ―
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