更新日:2023年03月20日 10:47
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激安葬儀でロボットがお経を…本当にそれでいいのか?

 各TV番組や週刊誌が絶賛する“激安葬儀”。しかし、調査してみると多くの落とし穴が!? 激安葬儀

「僧侶なら誰でもいい」という考えを見直すべし

 昔に比べ、お寺と親交を持つ人が減少の一途を辿る現代。しかし、それこそが激安葬儀を生む要因である可能性も。『お寺さん崩壊』などの著書を持つ浄土真宗の僧侶・水月昭道氏は、昨今の「カネありき」の葬儀の風潮に、疑問を呈す。 「お経は故人を偲びながら、仏縁を頂くために読むから意味があるもの。最近は、経費削減のためかロボットにお経を上げさせる『ロボット導師』などもありますが、格安を理由に、故人と縁のない僧侶やロボットに形式的なお経を上げてもらうより、生前にご縁のある僧侶にお願いしたほうが、断然よいでしょう。お経が読めれば誰でもいいわけではないんです」 浄土真宗僧侶・水月昭道氏 また、費用については、まず寺に相談すべき、と水月氏は続ける。 「昔は寺と地域のつながりが深かったので、お布施の額が少なくても、お寺側も心を込めて葬儀を行っていました。現代であっても、生前から縁のある寺にお金のことを相談すれば、予算内でできる限りのことはしてくれるはずです」  形骸化する葬式の在り方を、今こそ問う時期なのかもしれない。 【浄土真宗僧侶・水月昭道氏】 地方寺院にて住職を務める一方、環境心理学者、評論家としても活動。著書に『他力本願のすすめ』(朝日新書)など多数。立命館大学客員教授 <取材・文/週刊SPA!編集部> ― [激安葬儀ブーム]の闇 ―
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