福島県民「風評がヒドくて、物資が来ないから困る」
―[デマ発信の不届き者は逮捕される]―
地震発生時から始まり、今なお飛び交うデマの数々。枝野官房長官が記者会見で注意を促し、中国・韓国では検挙者も出る事態に発展している。今後、日本ではどうなるのか――
福島第一原発から33km付近。いわき市内の一角で、いまだに青果店を営業し、地元の野菜を販売している人たちがいる。店主の式子さん(83歳)と、息子の久幸さん(53歳)だ。3月25日現在、30km圏内には屋内待機勧告が出されているが、「そのすぐ外側にいる人はどうすればいいのか、わからないんだよね……」(久幸さん)と呟く。
そのような不安や曖昧な政府の対応への不満も、デマを生む温床となっている。とりわけ、原発問題で危機的状況が続く福島県については、周辺地域から多くのデマが蔓延していた。
「福島県はほぼ全域が立ち入り禁止区域に指定され、半永久的に人が住めずに廃県になるらしい」
「原発から40km地点で外を歩いていると、迷彩服でガスマスクをした集団に『移動するな』と隔離される。県境を越えて、逃げてきた人が言っていた」など、いかにも“体験者からじかに聞いた”かのようなデマが流布している。
もちろん、式子さんらの健在ぶりが示す通り、これらは根も葉もないデマにすぎない。だが、その風評被害は確実に出ており、市内で住民に話を聞くと、「(風評が)ヒドくて、物資が来ないから困る」と嘆く声は多い。
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