更新日:2020年09月23日 20:46
お金

「日頃の不満」投稿でお金が貰えるサービス。“高く買われる不満”とは?

 仕事のモヤモヤや人間関係のストレス……溜まり続ける日頃の不満。そんな鬱憤がカネになるらしい。 自分を売って稼ぐ

身の回りのあらゆる不満を投稿、ネガティブがマネーに化ける

「’15年にサービスを開始したアプリ『不満買取センター』は、その名の通り人々が日常で感じている不満を買い取るサービスです。現在は45万人以上が登録しています」  そう話すのは、同アプリを運営するインサイトテック代表の伊藤友博氏。アプリには毎日約1万件もの不満が寄せられるという。 「会員登録に必要なのは、メールアドレスとニックネームのみ投稿内容をAIが査定して一投稿につき1~10ポイントを付与します。合計で500ポイント貯まると500円分のAmazonギフトカードと交換できます」

AIが不満を査定。具体的な投稿が高評価

 投稿される不満の対象は、商品やサービス、人間関係、仕事など多岐にわたる。 「むしろ、ポイントを目当てに投稿すると息切れしてしまうようです。ふとしたときに投稿するのが継続のコツですね。わが社としては、定期的に『不満買取大賞』を開催して、秀逸な不満を表彰していますが、受賞した投稿に共通しているのは、不満を感じたシーンが具体的に想像できて、改善策も提示されているものが多いですね」  ネガティブな感情をポジティブなアイデアに変えるのが、高ポイントをゲットするカギだという。そうして集めた不満を、同社はどう活用しているのだろうか。 「集めた不満データは、企業や行政機関に提供しています。実際に、不満の声を生かした商品やサービスも登場しています。例えば、砂糖が入っていないスティックコーヒーは、当社に寄せられた不満から生まれたものです」  自分の不満が世の中の役に立つとは! さっそく記者も「不満買取センター」に登録してみた。アプリには「不満の書き方講座」ページもあり、スマホさえあれば、いつでも不満が書き込めて便利だ。 自分を売って稼ぐ 試しにコンビニの店先にある傘置き場への不満を書き込みを投稿してみると、4日後に5ポイントが付与された。 《雨の日、コンビニの傘立てに傘を置いておいたら、店先の屋根が足りず濡れてしまっていた。屋内に傘立てを置いてもらえるとありがたい。》  お金を稼ぐのはなかなか難しそうだが、何げない不満が目に見える形で評価されるのは嬉しい体験だ。鬱屈した不満を抱える諸兄は憂さを晴らせるかも。
自分を売って稼ぐ

一日あたりの投稿上限は10件。一件あたりの査定は最大10ポイント。1か月で最大3000ポイント、MAXで月3000円を稼げる計算となる

<取材・文/真島加代(清談社)>
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