“錦糸町×外国人”のイメージを覆す「イタリアンスナック」とは?

 かつて夜の店が盛んな街として知られていたイースト東京の雄・錦糸町。だが、’10年代に入り風俗店の摘発や都心の大手グループの撤退が相次ぎ、繁華街全体の地盤沈下が進行。結果、アジア系店舗の危険なキャッチが跋扈するようになった。

 だが、そんな状況もここ2年ほどで変化の兆しが表れる。特に駅南口の丸井裏エリアでは居抜き店舗を活用した“ふつうの店”が台頭するようになったのだ。今回紹介するバンビーナも、まさにこのエリアに店を構える外国人が経営する新形態のお店。

Bambina Bambina 「錦糸町×外国人」と聞いて思い浮かべるイメージとは異なる、一風変わったお店を紹介しよう。

酒と料理はイタリアン。でも雰囲気はスナック!

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イタリア人の留学生が日替わりでカウンターに立つ。木曜日担当のマルティーナさん(23歳・右)と店長のタニアさん(33歳・左)

「なんのお店でしょうね? バーと言うとちょっとカタイですし、イタリアンと言うほど料理がメインでもない。それに、ここはカラオケも歌えますし……」

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ワイン片手にまったり会話を楽しむほか、カラオケでも盛り上がれる

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日本の曲はあまり歌えないというマルティーナさんの十八番は、松任谷由実の「真夏の夜の夢」。チョイスが渋い!

 店のジャンルを問われ、迷いながらも流暢な日本語で答えるのは、ルーマニアとイタリアの国籍を持つ店長のタニアさんだ。こちらのお店は、お酒を飲みながら、本格的なパスタも堪能できる。

「カウンターに立つのは、私に加えて、日本に来たイタリア人の留学生たち。みんなある程度日本語を話せるので、お客様と一緒にお酒を飲みながら過ごしています」

「それなら、日本ではぴったりの用語がありますよ! 『スナック』って言うんですけど」

「スナック? それ、ヨーロッパにはないですね」

 ならば、便宜上「イタリアンスナック」と名づけよう。ナポリタンのようなもので、イタリアをルーツとしているが、生まれたのは日本。こちらのバンビーナもそれと同じようなものだろう。

 今日カウンターに立つのは、イタリアはベルガモ出身のマルティーナさんだ。

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イタリア美女たちは、母国で日本語を習得済みなので日常会話は問題なし。お酒はイタリアで好んで飲まれるアペロールがおすすめ

「今年2月に日本に来ました。六本木とか渋谷より、私は門前仲町、錦糸町のほうが好きですね」

 最近覚えた日本語は?

「『領収書ボタンを押してください』。あとは『赤の補色は緑です』。教科書に書いてあったんですよ」

 それ、日本で生活していても普段絶対使わないよ!

 ここで、カウンターの裏にいた店長のタニアさんが再び登場。

「オリジナルのトマトパスタです。野菜は私が持っている千葉の畑で取れたものです」

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店長のタニアさんが育てた野菜を使った特製パスタ。夜の繁華街で本格的なイタリアンを堪能できる

 一口で味の違いを認識。さすが本場、レベルが違う。深夜にこれが食べられるのはありがたいな。

 揃える酒の種類はワインよりもウィスキーが多く、もちろんボトルキープもできる。このへんはスナックっぽいな。

「実は、一人で来る女性のお客様も、けっこういるんですよ」

 なるほど、ここで飲んでいたら思わぬ出会いもあるかもしれない。ワインを飲みながら未来のアモーレを探す下町のイタリアンスナック、通いたくなるわけだ。

Bambina【Bambina】
住:東京都墨田区江東橋2-6-14 エスカイヤ錦糸町プラザ5F
電:03-5625-3339
営:19~24時
休:日
料:チャージ1000円(男性)、500円(女性)/1時間 ビール700円、ワイン800円、パスタ1400円、ボトルキープ8000円~

撮影/長谷英史 協力/U氏

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