小粋な女将が営む落語を楽しめる秋葉原の小料理屋

 チャンチャカチャカチャカチャン♪毎度ばかばかしい落語の出囃子の音が店内に鳴り響く。ここは秋葉原の中心地から8分ほど歩いた場所にある小料理屋「やきもち」。毎週火曜日、おいしい酒と料理を楽しみつつ本格的な落語が鑑賞できる。

俺の夜 今日の演者は春風亭昇々さん。イケメンながら芸も達者で、将来を有望視されている実力派の若手だ。1時間、濃密な話芸の世界をすっかり楽しんだ後、店を切り盛りする女将さんの話に耳を傾けた。なんと彼女、大学を卒業後、日本テレビで働いていたという異色の経歴の持ち主なのだ。

俺の夜「落語との縁は34歳の頃に『笑点』のディレクターになったことで始まりました。実を言えば、ちょうどディレクターとしての自分に限界を感じていたときだったんですが、落語家さんとの仕事がすごく楽しくて。テレビとは一味違う芸能の世界に深く携わりたい気持ちが強くなったんです」

俺の夜 そして’16年、37歳で退職して「やきもち」を開店。それにしても、なぜ落語と小料理を組み合わせたのだろう。

「春風亭昇太師匠から『昔はお座敷に呼ばれて落語をすることも多かった』と聞いて面白いと思ったんです。そこから思いついて、好きな落語家さんを呼んで、落語とお酒と食事を同時に楽しめる空間をつくってみようと決めました」

やきもちの落語は「ソウルフル」

 店内を見回すと女将さんのこだわりが随所に溢れている。まず入り口から入ってすぐ目に入るのが高座。落語家が演じやすいよう計算して作られ、なにより客席との距離が近い。

俺の夜「この距離で芸人さんを観ると繊細な動きや表情がわかるんですよ。寄席ではここまでは見えません。空間が広すぎない分、生演奏や声がすごく響くので、演者さんのソウルがより感じられるようになってます(笑)」

俺の夜

「落語初体験のお客様にも満足頂けるように」と実力派の演者を選ぶ。公演は配信される日も。設備は元ディレクターの女将が操作

 出演する落語家も女将が選んだ実力派ばかりだとか。

俺の夜

獲れたその日に送られてくる新鮮な伊豆の刺し身。同じく伊豆で採れた無農薬レモンサワーとよく合う

「落語会のときはコースの食事のみ。お酒代は別です。オススメは伊豆の地魚を使ったお刺し身。落語を通じて知り合った魚屋さんが送ってくれるんです。それと伊豆の無農薬レモンを使ったレモンサワーは夏に向けてどんどんおいしくなる一品ですね」

圧巻の話芸と美酒に夢かと見紛う

 出してくれたレモンサワーをいただく。確かに夏の風が吹いたような、爽やかな味が喉を潤す。うまい。ちなみに『笑点』メンバーには昔も今もお世話になってるとか。

俺の夜「このお店を始めるとき、『小料理屋をやります!』と師匠方に宣言したんです。ご祝儀がもらえるかなって。そしたら思った以上にたくさんいただけましたね(笑)」

俺の夜

のれんは故・桂歌丸師匠、幟は春風亭昇太師匠が作ってくれたもの。ランチョンマットは落語家自前の手拭いを再利用したもの

 やはり、やり手の女将だ。思わず座布団を一枚差し上げたくなる。女将さんに会いにいくだけでもこのお店にいく価値ありだろう。

俺の夜【やきもち】
東京都台東区台東1-12-11 青木ビル1階B号室
18~22時
月・日曜
03-6803-2050
演芸時は6000円~(出演者によって変動。ショーチャージ+コース料理)、火曜以外は単品あり。
予約はhttps://yakimochi.info/から

ブルボン ブルボンと赤城乳業に絶対的信頼を置く甘党。理想のタイプは「小梅ちゃん」
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