“チェーン店不毛の地”西荻窪 甘党も子連れも心底楽しめちゃう日本酒バー

 多忙な年末をなんとか乗り越えほっと一息。’22年も皆さまお疲れさまでした。そんな芯まで疲れた体を癒せる、あま~い体験ができると聞いて、今回やってきたのは新宿から中央線で15分のところにある西荻窪。

 ここは個性的なお店が鎬を削り、生半可な店では生き残れないため、“チェーン店不毛の地”とも呼ばれる激戦地。そんな街で舌の肥えた地元民にも愛されているのが、作りたての和菓子をつまみにお酒が飲めるお店「をかしや」だ。

「をかしや」店主の戸辺麻理子さん

「をかしや」店主の戸辺麻理子さん

「お客さんには『お酒と和菓子を合わせるなんてすごいね!』なんてよく言われますけど、私は自分の好きなものを置いてるだけなんですよ」

 そう照れくさそうに語ってくれたのは店主の戸辺麻理子さん。専門学校から和菓子を学び、仕事にしてきた。店の名物の一つが、彼女が目の前で作ってくれる“実演練り切り(700円)”。

「をかしや」の名物 実演練り切り

「をかしや」の名物 実演練り切り

「練り切りは白餡に求肥を加え練って作る生菓子です。うちは出来たてを出すので水分量が多め。口どけが良いのでで一味違うおいしさですよ。今回お出しするのは雪の結晶がモチーフです」

 出てきた練り切りを見て思わず息をのむ。美しい。もったいないと思いながらも、そっと口に運ぶ。その瞬間にふわっと口の中に初雪が舞い降りた。流れでキュッと熱燗を一口。あぁ幸せ。ガソリンがてらに一杯入れたらもう止まらない。今日は日本酒を浴びるほど飲もうじゃないか。

戸辺さんが作るおつまみも絶品!

食べ歩き好きの戸辺さんが作るおつまみも絶品! こちらはプリプリのモツを使った「もつ豆腐」

をかしや
住:東京都杉並区西荻南2丁目24-2
営:18〜24時
休:不定休(Twitterにて随時告知 @wokashi_ya24
練り切り実演700円、くるみ大福500円、さくらんぼしば漬け600円

西荻窪で週末だけ開く、子連れに優しい日本酒バー

西荻窪の日本酒バー「へなちょこ」 オーナーの篠山可南子さん

西荻窪の日本酒バー「へなちょこ」 オーナーの篠山可南子さん

 日本酒に溺れたくて駆け込んだのは同じく西荻窪の日本酒バー「へなちょこ」。

「冷酒と常温合わせて60種類以上の日本酒を常時取り揃えています。お客さんの好みに合わせて、お酒好きな店員がオススメするので、知識がなくても大丈夫ですよ」

 そう優しく説明をしてくれたのはオーナーの篠山可南子さん。篠山さんはお店のオーナーのほか、デザイナーや2児の母としての顔も持つ。

赤ちゃん連れでも座りやすいように奥には小上がりがある

赤ちゃん連れでも座りやすいように奥には小上がりがある

「元はグラフィックデザイナーとして働いていましたが、育児との両立に限界を感じて。夫と相談して、週末だけこのお店をやることにしたんです。子連れでも楽しめるよう、お店の通路をベビーカーが通れる広さにしたり、オムツを替えられる台を用意したり、設計にも工夫を凝らしています」

 “燗”番娘のひとりとして、お酒の仕入れなども任されているのがやまおきあやさんだ。

味噌にくるみと薬味を合わせ焼いた焼き味噌でお酒が進む。

味噌にくるみと薬味を合わせ焼いた焼き味噌でお酒が進む。

「日本酒って瓶を開封してからも味が変わるので、ウチでは瓶を開けてから何週目かわかるようにしています。毎週来ると、同じ日本酒の微妙な味の変化が楽しめますよ」

 名物の焼き味噌とおでんをつまみに、冷酒も熱燗もしきり楽しむブルボン。甘党も子連れも楽しめる名店が揃う西荻窪にもうぞっこんです。

へなちょこ
住:東京都杉並区西荻北2丁目1-8 101
営:金18~22時、土日13~21時(@henachoko_tweet
休:月・火・水・木
焼き味噌500円、生ピーマンと食べる青椒肉絲600円、おでん(3種)×日本酒セット1100円

撮影/水野谷維城

ブルボン ブルボンと赤城乳業に絶対的信頼を置く甘党。理想のタイプは「小梅ちゃん」
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