第八十八夜【後編】

 やってきたのは乙女ロードとは線路を挟んで反対側の池袋西口。ここに「学園キャバ」を名乗るお店がある。店に入って仰天。店内(?)はまさに教室。黒板はもちろん、机や防災頭巾が敷かれた椅子、板張りの床、そして習字などの掲示物も懐かしい。「おはよー!」と声をかけてくれる制服姿のクラスメイト、彼女たちはイマ風だ。高校を卒業してそろそろダブルスコアになろうとする俺。白球を真摯に追うあまり、クラスの女子との接触など皆無だった暗黒の高校時代が瞼に浮かぶ。昭和生まれの地方の高校生と平成生まれの都会の女子高生の邂逅――しかも禁断の放課後の教室での淡い恋。憧れのシチュエーションが18年の時を経て体験できるのだろうか?

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「先ー輩っ! 何して遊ぶ?」

 今春までリアル女子高生だったという唯ちゃんとけいこちゃんがキャピキャピ(←死語)と席に。ここでは女のコは1年生と3年生に分かれており、客は2年生で”先輩”か”後輩”どちらを演じたいかによって女のコが選択できるようになっている。

 リアル18コ上の”オジさん”も今日は1コ上の”センパイ”。後ろめたさと気恥ずかしさを感じながら、ビーカーの水割りをすする。俺の二の腕に手を回し、積極的に話しかけてくる唯ちゃんに相づちをうつも上の空。スカート丈くるぶし世代には考えられないミニスカ生ひざ小僧も眩しすぎる!

 ン十年を経て、忘れかけた甘酸っぱい気持ち……俺は叫びたい。

「ピュアな恋っていいよね!」

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メニューは懐かしのジャ○ニカ学習帳。シリンダーに入った焼酎を
フラスコの烏龍茶で割り、ビーカーで飲む。これが意外とキクのだ……

【愛立チェルシー学園】

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住:東京都豊島区西池袋3-30-2 フェリース西池袋3F
電:03-5985-2812
営:18時~ラスト(月~金)、17時~ラスト(土・日)
料:5000円(17~20時/50分)、7000円(20時~ラスト/同)
●揚げパン(700円)や給食を模した食器で提供される
 チャーハン(1500円)などフードメニューも充実

協力/O氏(夜遊びガイド)  撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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