第百十八夜【前編】

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桜の季節に遊女たちが花盛り。
現代版”遊廓”で花魁遊びに興じる



吉原への道に2つあり。男が通う極楽道、堕ちた女の地獄道――。


「男をダマすにはねえ、ヘヘッ、これが一番なのさぁ」と陰部にローション代わりの昆布汁を塗りたくり、肺病で太夫(花魁の最高位)の地位を失った女が半狂乱となって、男にカミソリを振るう……。


’80年代の東映作品『吉原炎上』が花魁&遊廓世界の”剥き出しのリアル”を描いたものならば、’07年に公開された土屋アンナ主演の『さくらん』は、色彩豊かな美術とスタイリッシュなロック&ジャズ音楽を用いて、”豪華絢爛な花街”をスクリーンに投影した。


 男の立場からすれば、心が躍るのは圧倒的に後者のほう。やはり、『好色一代記』よろしく、煌びやかな装飾の中で夢うつつになりながら、酒と色に溺れてみたいものだ。


 画面に映る菅野美穂の濡れ場シーンを繰り返し再生しながらそんなことを夢想する僕は、遊廓気分の味わえるお店を目指して、夜の繁華街へと足を向けるのであった。


現代の遊女たちが金魚のように舞う





 歌舞伎町・さくら通りの中央付近に、お目当ての店「花魁oiran居酒屋こまち」を発見。そう、ここは2年ほど前から都内に急増中の”ガールズ居酒屋”である。


「いらっしゃいませぇ。どうぞ、奥の座敷を用意してありんす♥」


いきなりの廓詞で席へと案内してくれたのはさやかちゃん。セクシーな和風のコスチュームと、吸いつきたくなるような真っ赤な口紅に早くも心がざわめき立つ。


「料理は一気に頼まないで女のコとの会話を引き延ばすのが、ガールズ居酒屋の正しい飲み方」と豪語する先輩記者・苫米地の教えどおり小出しに注文。「次はあの盛り髪のコ……いや、あっちのかんざし美女も捨てがたい」などと、女のコを目ざとく見つけては声をかけるのがなかなか楽しい。


「花魁カクテルはいかがですか? 気持ちを込めてフルーツをしぼらせてもらいます(ハートマーク)」(あやちゃん)


などなど、女のコが直々にサービスしてくれるスペシャルメニューも用意されているので、飲みの場はさらに盛り上がる。


 酒と料理で腹が膨れれば、より”色”を求めたくなるのが男の性。ってなわけで、次なる目的地を目指すことになった。




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「衣装に合うよう髪形には気を遣います」(あやちゃん)。苫米地直伝の”小出し注文”で女のコとのトークを楽しむ


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「1、2、3!「衣装に合うよう髪形には気を遣います」(あやちゃん)。苫米地直伝の”小出し注文”で女のコとのトークを楽しむ」。さやかちゃんの掛け声に合わせて、「ミニ鏡開き」を堪能する。息を合わせる2人の一体感が、男心をくすぐるのだ


花魁oiran居酒屋こまち

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住:新宿区歌舞伎町1-13-10 一草堂ビル2F・3F
電:03-3232-4888
営:17~24時(金・土・祝前日は17時~翌5時)
休:無
料:飲み放題コース(120分)3800円~(+500円で本格銘柄焼酎25種が飲み放題に)居酒屋メニューのほか定食も充実。






撮影/渡辺秀之

スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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