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食事で「脳のパフォーマンスを上げる」5つのルール

「食」といえば、どうしても「痩せる/太る」あるいは「健康にいい/悪い」の方面で考えがちだが、昨今とみに注目されているのが「食」と「脳」の関係。われわれが日頃食べているものは、言うまでもなく脳のエネルギー源でもある。ダメなモノを食べれば、脳のパフォーマンスが下がるのは当然の話なのだ……。

ダメな脳に送る食事改善必勝法

 脳のパフォーマンスを上げる食事の中身は、それほど複雑なものではない。だが、それを“実践”するのにハードルがあるのも事実だ。
コンビニサラダ

一見、糖質だらけのコンビニでも、探せばさまざまなアイテムがある

 もっとも手ごわいのは「昼食をコンビニで買っている」場合。コンビニのラインナップでは、糖質制限に向いた食品を見つけるほうが難しい。 「ここで、何がなんでも糖質をゼロにしなくては!と神経質になるのは現実的ではありません。おにぎりオンリーの昼食が習慣になってしまっていた人なら、サラダを一品付けるだけでも進歩。野菜を先に食べれば、糖質を含むものを食べたときに血糖値の上昇がゆるやかになり、過剰なインスリンの分泌を防いで、食後の眠気を避けることもできます」と話すのは、医師の菅原道仁氏。  ゆで卵にサラダチキン、缶詰のサバやイワシなど、タンパク源になるアイテムも探せば結構見つかるもの。これに、パウチ惣菜のコーナーから豆サラダやひじきの煮物などをプラスすれば、糖質抜きでもそこそこ満足のいく内容に。
【菅原道仁氏】

菅原道仁氏

「とはいえ、人間は流されやすい生き物なので、放っておくと好きなものしか食べない。実はこれって、脳の習性でもあるんです。“安定化志向”といって変化を嫌うんですね」(菅原氏。以下同)  脳のパフォーマンスを上げる邪魔をしていたのは、脳そのものだった。 「だから、なるべく周りの人間を味方につけましょう。同じように食生活を改善したいと思っている同僚と一緒にランチを買いに行って、互いに買ったものを交換する……みたいな工夫も効果的。バランスを工夫したつもりでも、一人の考えることはどうしても偏ってしまいますからね」  前回紹介した岩間さんのように「ぼっちでデスクで食事」が、一番危険なパターンだった。 「岩間さんの場合、奥さんの存在がなにげにセーフティネットになっていますね。奥さんの帰りが遅いと、麺だのパンだのばかり食べてしまうけど、奥さんが作る夕食も普通に食べるわけで、別に炭水化物に固執しているわけじゃない。やはり“人間は一人でいるとラクをする”生き物だということです」

日本人にはタンパク質が足りてない

<食べてもOK> ・主食…(どうしても食べたいときは)玄米、全粒粉パスタ ・酒……焼酎、ウイスキー、ブランデー、赤ワイン ・油……オリーブオイル、ココナッツオイル ・甘いもの…低糖の果物(リンゴ、イチゴ、グレープフルーツ、キウイなど) <なるべくガマン> ・主食…白米、パン、麺など ・酒……日本酒、ビール、酒 酎ハイ、甘いカクテル ・油……サラダ油、コーン油、ゴマ油はとりすぎ注意 ・甘いもの…ケーキ、チョコレート、ドーナツ  上記の表では、アンチエイジング研究の第一人者の白澤卓二氏のアドバイスをもとに、なるべくガマンすべき食品と、食べてもOKな食品を分類したので参考にしてほしい。
【白澤卓二氏】

白澤卓二氏

「糖質を控える分、タンパク質はこれまで以上にしっかり食べてください。食費がバカにならないのも事実ですが、そんなときの強い味方が卵。コレステロールを多く含むので食べない方がいいとされた時期もありましたが、今ではその認識が改められ、健康長寿のためには一日1個食べたほうがいいと考えられています」(白澤氏)  タンパク質の大切さを前回のベジタリアンな食事の例でも解説したように、タンパク質は脳の神経伝達物質やホルモンの原料になるもの。ちなみに、一日に必要なタンパク質は、まったく運動をしていない人でも「体重1㎏に対して約1g」はほしい。体重が60㎏の人が一日に必要なタンパク質は60gで、具体的な量は、豚ヒレ肉なら約264gに相当。結構、足りていない人のほうが多いのではないだろうか……。 「日本人の食生活には、概してタンパク質が足りていません。食事だけでは厳しいようなら、プロテインパウダーなどを活用したほうがいいでしょう」(菅原氏)  心が折れかけた人もいるかもしれないが、菅原氏は優しく言う。 「脳にとっては“知っているか否か”だけでも大きな違い。知識として残っていれば、例えば外食でどこへ行こう?となったとき、タンパク質が足りていないから焼き肉に行くか……という選択も自然にできる。すぐさま正しい食生活が実践できなくても、その知識は決してムダにはなりません」 ★アナタの脳を守る5つのルール 1.おにぎり棚に背を向けろ 放っておくとつい炭水化物に目が向くのは、日本人としては致し方ないこと。缶詰コーナーやパウチ惣菜コーナーを贔屓に 2.ランチに同僚を巻き込め 一人だと結局、好きなものを選んでしまいがち。同僚を巻き込んで強制的にランチを選んでもらおう。一緒に外食するのも○ 3.独身なら嫁をもらえ パートナーがいない人は、認知症にかかる率が高いという話があるが、意外と食事内容にも関係した話なのかも…… 4.タンパク質不足に注意 気を抜くとすぐに不足するタンパク質。次いで不足しがちなのがEPA(57ページ)。サプリや栄養食品を活用するのもアリ 5.常に情報を仕入れよう 脳は“忘れよう”とするもの。食生活に関する情報は適宜アップデートして、脳の関心を食生活に向けておくようにしたい 【白澤卓二氏】 ’58年、神奈川県生まれ。日本におけるアンチエイジング研究の第一人者。『体が生まれ変わる「ケトン体」食事法』(三笠書房)ほか著書多数 【菅原道仁氏】 菅原脳神経外科クリニック院長。頭痛、めまい、物忘れ、生活習慣病を中心とした診療を行い、病気を未然に防ぐ「予防医療」の研究に取り組む 取材・文/江沢 洋 古澤誠一郎 ― これがバカになる食事だ! ―
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