台湾「毒食品」騒動! 日本にも上陸!?
5月末、台湾で発覚した「有毒添加物」事件はアジア中に飛び火している。「昨年、中国で起きた毒入りミルク事件以上の悪質さだ」と複数の台湾・中国メディアが指摘する中、日本でこの事件はほとんど報じられていない。が、日本にも製品が入ってきている可能性は高く、人ごとではないのだ。
この添加物とは可塑剤(DEHP/フタル酸ジチルヘキシル)のことで、本来は塩化ビニールを製造する過程で、製品を柔らかくするために使われるものだ。この可塑剤は乳化作用があるので、台湾の食品メーカーはコストを抑えるために、飲料やゼリー、ジャム、栄養剤、調味料などに混入させていたというのだ。可塑剤は環境ホルモンとして作用し、体内に入った場合、生殖系統に異常をきたしたり、癌きひき起こす可能性が高いといわれている。例えば、食品メーカー「台湾通順公司」の子供向け乳酸菌飲料で、1日の上限許容摂取量の約2000倍の可塑剤が混入していたという。
台湾で発覚したこの騒動は、6月に入って世界中に飛び火している。可塑剤が混入した食品が中国大陸や香港、ベトナム、アメリカ、フィリピンなどに輸出されていたことがわかったからだ。さらに中国広東省の食品添加物製造メーカーや、ベトナムの食品会社(ゼリーやニョクマム)でも可塑剤の使用が明らかになり、アジア製食品全体への不信感が募っている。
◆濃縮還元のマンゴージュースなどに要注意
今回の騒動について日本在住の華字紙記者は言う。
「台湾最大の食品メーカー『統一』などの製品にも含まれているので、多かれ少なかれ日本に入ってきていると見ていいでしょう。とくに東京や大阪など都市部にある中華系の食材店には入荷している可能性は十分ある。混入製品リストは公開されているので、心当たりのある人は、それらを買わないように対策をすべきです。また、台湾料理店や中華料理店でも原材料として使用されているおそれもあります。一部メーカーのマンゴーや梅、バッションフルーツの濃縮果汁に可塑剤が混入していますので、ジャムやジュースなどが使用されているようなメニューは頼まないほうがいいでしょう」
台湾・行政院衛生署の公表したリストによれば、スポーツ飲料、ペットボトルの茶飲料、マンゴーやパインアップルの果汁ジュース類、イチゴやブドウなどのジャム、乳酸菌飲料やビタミン剤、薬用人参の粉末などで可塑剤の混入が確認されている。こうしたことから、中華圏から輸入されたこれらの製品や調理品は、しばらく口にしないほうがよさそうだ。
取材・文/バーナード・コン(本誌特約)
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