田中美絵子前議員、収入ゼロでも「タレント転身はない」と断言
先の衆院選では、多くの現役議員が職を失った。大野伴睦の「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」という言葉もあるが、当人たちは今、何を見据えているのか
◆メディアの報じたタレント化の噂は一蹴。政治活動一本
(’12年落選⇒4年後の衆議院議員を目指す・田中美絵子氏)
’09年の衆議院選で「小沢ガールズ」の一人として初当選した後、昨年6月に週刊誌でスキャンダルが報じられるなど、何かと話題となった田中美絵子氏。今回の選挙では石川2区から東京15区へ国替えして出馬するも、落選。取材日はちょうど事務所の引っ越し作業中で、室内には段ボールが山積み。今回の選挙について、田中氏は語る。
「大変逆風の厳しい選挙だったと思います。国替えは突然でしたので、実質3週間程度と、時間もありませんでした。そういった意味では確かに出遅れたところはあります。でも、敗因はすべて私の力不足です」
「民主党政権になっても何も変わっていない」「誰がやっても同じ」などの世間の声は強かったが……。
「民主党では社会保障を充実させ、温かい福祉国家を目指してきました。子ども政策や子育て支援、格差の是正、憲法論議もしてきました。でも、そういったことの広報活動がうまくいっていなかった部分はあると思います」
落選直後は、各所に挨拶回りのほか、引っ越し作業に追われ、この日でスタッフも全員退職。翌日からはひとりで政治活動を再スタートさせる。収入は基本的にゼロで、貯金を取り崩して活動することになるという。田中氏といえば、フリーライターとして活動したり、小誌でもおなじみリリー・フランキー氏の主演映画での体当たり演技などの経歴もあり、一部では「タレントへ」という情報も出ているが……。
「まったくないです。参院選出馬もありません。今は、4年後の衆院選しか考えていません」と、政治活動一本で行く覚悟だ。
「私はむしろ挫折だらけの人間です。人生の中で、挫折を経験することは多いと思うんです。特に私たちの世代は、転職したらもう二度と正社員に戻れないという世代。でも、そういった人たちが再チャレンジできる環境をつくっていきたい。私自身がチャレンジし続けるということも、そういったメッセージに繋がると思っています」
【田中美絵子氏】
’75年、石川県生まれ。民主党所属の前衆議院議員。女性の病気の対策などに取り組んできた。帝京女子短期大学卒業、明治大学政治経済学部卒業、明治大学大学院政治学修士
― 「タダの人」になった元国会議員のその後【4】 ―
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