奨学金1000万円の返済地獄に陥る研究者「教授を目指しているので、一般企業に就職する気はない」
―[[中年破産]の危機]―
◆気楽に借りた奨学金が気づけば1000万円!返済地獄に陥る研究者
~鮫島実さん(仮名・33歳)/研究員/年収70万円~
近年、学生時代に借りた奨学金が原因で、自己破産一歩手前まで追い詰められる若者が急増。昨年、博士課程8年を終え、卒業したばかりの鮫島実さんも、瀬戸際に立たされる一人だ。
「昔は『奨学金は踏み倒せる』とも言われましたが、今は返還しなければ延滞金もつくし、督促状もくる。最悪、差し押さえや提訴もあります。借りた当初は深く考えていませんでしたが、奨学金って借金ですからね」
鮫島さんが借りてきた奨学金の総額は約1000万円。これまでは学生の身分ゆえ猶予期間として返済義務はなかったが、卒業した今年4月から毎月5万円ほどの返済義務が発生しているという。
▼収入……5万~6万円
治験や家庭教師のバイト……月5万~6万円
▼支出……3万4700円
交通費(通学や治験のため)……2万1000円
携帯代……1700円
食費・雑費……1万円
学会費……2000円
▼借金返済……月約2万円
消費者金融残債……約20万円
……(奨学金残債 約1000万円)
▼収支……ほぼ±0円
なお、現在は東京の大学に「客員研究員」として通っているが無職のようなもので、収入は治験や家庭教師のバイトで月5万円ほど。実家の長野に住み、生活費を切り詰め、深夜バスで月に数回、東京の大学へ通う生活を繰り返している。そんな困窮した状態で毎月5万円の奨学金を返済できるのか?
「僕は将来、教授を目指しているので、一般企業に就職する気はない。だから、当分はまだまだ奨学金を返済できる見込みはありません。今は研究者としてほぼ無収入なので、奨学金の返済を猶予してもらうよう申請中です。あと、返済義務のない研究者向け奨学金があって、これに合格すれば安心して研究を進められるんですが……」
無計画に借りる学生側に非がないとはいえないが、本来は学生を支える存在だった奨学金がいまや逆に足かせに。今後、奨学金破産者はますます増えていくだろう。
<藤川太氏のチェック!!>
収入を上げるために、大学教授にこだわらず、企業の研究職に就くなどの努力を。そのほうが早く完済できますし、企業での研究が評価されれば案外教授への道も開けるかもしれません。
【藤川太氏】
家計の見直し相談センター代表。2万世帯の家計を診断。著書『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など
※写真はイメージです
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