冬の風物詩「第51回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が7日、東京・新宿の京王百貨店で始まった。この大会は”駅弁の甲子園”と呼ばれるほどで、全国 45の都道府県(今年は大分と沖縄を除く)から300以上の駅弁が集まる全国最大の駅弁大会。’66年(昭和41年)から続く大会はいまや売上が6億円を超えるというフードフェス界のモンスターイベントだ。
北海道新幹線代表(右)と北陸新幹線代表のマッチアップ
51回目の今回の大会は、「新幹線開業記念沿線駅弁対決」や「肉好きのための新作肉弁当対決」「海の美味かにかに対決」など、例年新作弁当がお披露目となる“対決モノ”や、限定パッケージの弁当、復活した弁当、人気の弁当などが、お客さんの目の前で調理する実演販売が行われたりと、楽しい企画が満載だ。
記者も毎年この駅弁大会に馳せ参じており、今年も開店30分前には並び、今回のメイン企画である「新幹線開業記念沿線駅弁対決」の弁当二種をさっそく購入した。
2016年春開業の「北海道新幹線」の駅弁が先行発売!
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1025852
「大玉ほたてと大漁ウニ弁当」
2016年3月26日に新青森~新函館北斗間が開業する「北海道新幹線」の新函館北斗駅で販売される駅弁が、ひと足先に新宿に“入線”した。「大玉ほたてと大漁ウニ弁当」(北海道 北海道新幹線 新函館北斗駅/1780円)。開店するやあっという間に長蛇の列になった目玉の駅弁だけに、テレビ各局のカメラの放列を浴びていた。
黒と金の高級感のある掛け紙を外すと、飛び込んできたのは黄金色に輝くウニ!ウニ!ウニ! そのウニの海の上に鎮座ましますのは大ぶりのホタテ、脇をイクラが固めるという、盤石の布陣。味のアクセントに刻んだ大葉が彩りを添える。
煌めく海原
ウニをひと口頬張ると、磯の香りが押し寄せる。しょうゆ味のご飯がウニの甘みを引き立てる。ほたてはぷりぷりとして歯応えが良い。イクラの塩分は控えめか、素材自体の味をしっかりと感じることのできるバランスの良い弁当だろう。
弁当を買った際「なぜこの弁当を買ったのか?」と地元北海道のテレビ局にインタビューを受けてしまった駅弁記者。「今大会に60種も出ている北海道の駅弁のなかで最も値段が高いから、期待も高いんです」とわなわなと答えてしまったが、その期待に違わぬ逸品であった。
北陸の幸!高級魚「のどぐろ」と今しか食べられない「香箱蟹」のハーモニー
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1025855
「のどぐろと香箱蟹弁当」
お次は2015年春に開業した「北陸新幹線」のターミナル駅・金沢から、じつに「金沢らしい」駅弁が上陸した。「のどぐろと香箱蟹弁当」(石川県 北陸新幹線 金沢駅/1600円)。「のどぐろ」とはアカムツの別名で、のどの奥が黒いから石川県ではそう呼ばれている魚で“白身のトロ”との別名を持つ高級魚だ。
「香箱蟹」とは雌のズワイガニで、雄より小ぶりな身の中には、茶色の外子(そとこ)と呼ばれるツブツブの卵、そして内子と呼ばれる濃いオレンジ色の味噌は旨みが濃厚で、11月初めから年明けごろまでのごくわずかな期間しか漁ができない“超レア蟹”で、それを求めて金沢を訪れる観光客が殺到するほどなのだ。
可愛いイラストの掛け紙を外すと、いい色に焼かれたのどぐろが3切れ、真ん中には香箱蟹の味噌と大ぶりなイクラ、カニ身、つけ合せの卵焼きとカラフルな弁当が現れる。
金沢の冬の味覚がズラリ
炙ったのどぐろからは香ばしい匂いが。意外と歯ごたえがあるが、噛むと、じゅわっと魚の脂が口に広がっていく。香箱蟹の味噌はまったりと濃厚で、酒が欲しくなるほど。ベニズワイガニのほぐし身もたくさん入っていて、酢飯と合うようにカニ酢で味がつけられている。
これだけでも満足だが、驚いたのはつけあわせの卵焼き。冷えているのにふわふわ。スポンジケーキのような舌触りで、噛むとじわっと出汁が染みだしてくるよう。細部まで手を抜かないところに、金沢のプライドを感じてしまった。
今大会は320の駅弁が出店し、そのうち60余りが初出場という、“日本一の駅弁大会”に違わぬラインナップ。ぜひお好みの味を見つけてほしい。
駅弁記者は明日以降も会場に出没し、注目の味、鉄板の味、珍品をレポートします!
特製クリアファイルと駅弁制覇リストもゲット!どれだけチェックできるか?
【第51回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月7日(木)~19(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※13(水)は午後5時、20(水)は午後6時閉場
http://www.keionet.com
取材・文・撮影/駅弁記者(参加=9年連続14年目)