ライフ

進化する“肉駅弁”の名品を食べくらべ!【第51回駅弁大会実食レポ】

―[第51回駅弁大会]―
 初日の様子を放映した、テレビ番組の影響はてきめんで、午前中に売り切れる弁当やうまいものが続出するという、まさに大盛況となっている「第51回元祖有名駅弁とうまいもの大会」。記者は2日目となるこの日も、開店前から並び、人気の駅弁をゲットしてきた。  昨日、今大会の目玉「新幹線開業記念駅弁対決」(https://nikkan-spa.jp/1025849)をお送りしたが、それと双璧をなす「肉好きのための新作肉弁当対決」。毎年、もっとも駅弁の進化を感じさせる対決として、記者は非常に楽しみにしている。今回は長蛇の列ができていた肉駅弁3種をご紹介しよう!

佐賀牛駅弁がまさかのバージョンアップ!

 まずは昨年、「佐賀牛三昧 ステーキ&すき焼き弁当」を出品した(https://nikkan-spa.jp/781181)調製元が飽くなき進化を求め、肉質&味をバーションアップさせた逸品「佐賀牛サーロインステーキ&赤身ローストビーフ弁当」(佐賀県 佐世保線 武雄温泉駅/1980円)。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1026606

「佐賀牛サーロインステーキ&赤身ローストビーフ弁当」

 お値段、昨年よりも120円アップ1980円! 1000円ちょっとでアツアツのステーキが食べられるこのご時世に強気な価格。今大会のラインナップに照らし合わせても、最上位クラスの価格である。  しかし昨年の“あの味”を覚えている身としては、120円は期待料である。実演ブースでは鉄板の上に肉がゴロゴロ、今焼かれたばかりと思しき肉塊が丁寧にカットされている。  去年とまったく変わらないが、高級感のある掛け紙をはずすと、赤身の艶めかしい色が飛び込んできた。ミディアムレアに焼かれたステーキときめ細かな霜降りのローストビーフ。去年はこの席に「すき焼き」が収まっていたが、今年はローストビーフ。明らかなバージョンアップだ。

サシがはっきりとわかるステーキ。A5クラスがこの値段で食べられるのは嬉しい

 まずはステーキをひと口。正直驚いた。冷えているのにしっかりと感じる脂の旨みと肉の繊維の柔らかさ。塩コショウのシンプルな味付けが、肉の旨みを引き出している。備え付けのステーキソースがあるが、まったく必要ないほど。一方のローストビーフはレアの赤身の肉々しい味が。やはりA5ランクの佐賀牛は巷のステーキとは全く違うシロモノだということに気づかせてくれる逸品である。

肉質抜群の「北さつま牛」と「かごしま黒豚」が一度に味わえる

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1026622

「北さつま牛・鹿児島黒豚贅沢すき焼き重」

 お次は「北さつま牛・鹿児島黒豚贅沢すきやき重」(鹿児島県 九州新幹線 出水駅/1280円)。こちらも昨年出品されていた「鹿児島黒豚・黒牛 贅沢牛めし重」のパワーアップ版だ。  掛け紙を取ると、ピカピカと光る肉肉肉。タレを纏った肉とはこんなに美しいものか。もちろんタレの香りがふんわりと鼻腔をくすぐってくる。まずは手前にドンと鎮座する「かごしま豚」のタレ焼き。ひと口噛むと、繊維が細かいからか、ふんわりとした歯ざわり。鹿児島醤油と地酒を使った甘辛いタレは白米との相性がバッチリ。

タレをたっぷりと纏った鹿児島黒豚。ご飯がすすむ

「北さつま牛」のすき焼きは肉本来の味がでていて、こちらも飯が進む。下に敷かれたごぼうの煮つけは歯ごたえがあり、アクセントとして最高だ。味付けは濃い目なので、ビールのアテとしても立ち上がってくる感じだ。

鉄板の駅弁「牛肉どまん中」、三味一体の攻撃

 最後は、毎年の販売個数が常に上位に入り、全国的にも有名な駅弁「牛肉どまん中」が新作を投入。しょうゆ味が定番の「どまん中」だが、今回は地元の米沢をはじめ一部でしか味わうことができなかった、しお味、みそ味を追加、三種の味を食べ比べできる逸品にバージョンアップした。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1026626

「三味牛肉どまん中」

「三味牛肉どまん中」(山形県 奥羽本線 米沢駅/1300円)。まずは初体験のしお味。思ったより薄味で、肉本来の味を感じることができる。一方の味噌味はガツンと“濃い目”。散らされた鷹の爪の辛さが嬉しい。定番のみそ味は“安心の味”。毎年実演販売を行っているが、常に行列が絶えない理由がよくわかる。おかずコーナーには昆布の煮しめ、人参、小芋の煮付け、卵焼きと実にシンプルだ。

(左上から反時計回りに)みそ味、しお味、しょうゆ味。食べくらべは楽しい

 実はこの「牛肉どまん中」はカレー味も製作され、期間限定で発売されたことがあり、駅弁好きを熱狂させた。個人的には、来年はカレー味の登場を願ってやまない。  駅弁記者は明日以降も会場に出没し、注目の味、鉄板の味、隠れた逸品、珍品をレポートします! 【第51回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】 1月7日(木)~19(火) 京王百貨店新宿店7階大催場 午前10時~午後8時 ※13(水)は午後5時、20(水)は午後6時閉場 http://www.keionet.com 取材・文・撮影/駅弁記者(参加=9年連続14年目)
おすすめ記事