忠臣蔵はテロ!? 日本人とテロリズムの関係性を読み解く
しかし、やはり現実的な問題として気になるのは、この日本で今後テロが起きるのかという可能性だろう。真鍋氏によると、欧州で起こったような大規模なテロが起こる可能性は低いという。
「日本だとムスリムに改宗してISに忠誠を誓って……といった欧州のようなテロが起こることは考えにくい。しかし、北大生の事件に代表されるような中二病の問題がくすぶっているのも事実。SNSの呼びかけなどに引っかかって、コピーキャット(模倣犯)のようなテロが起こる可能性がないとはいえない。自分が置かれている状況に自暴自棄になって、世の中に何かを訴えたいためにテロという手段を選ぶことは十分に考えられる」などと指摘した。
また、津田氏の専門であるSNSやYoutubeなどのネットメディアとテロの関係や、国内のヘイトスピーチ問題などにも話が及び、会場からも多数の質問が飛び出すなどトークイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
東京五輪が4年後に控えるなか、日本でもテロの可能性が連日報道され、テロと私たちとは切っても切れないという世界情勢となっている。しかし、テロといってもその実態は今一つ実感がなく、つかみどころがないというのが正直な反応ではないだろうか。
津田氏も推薦する『テロリスト・ワールド』を手掛かりにテロについて少し考えてみるのもいいかもしれない。
【『テロリスト・ワールド』出版記念トークイベント第2弾が開催】
4月23日(土)18:00~「高円寺パンディット」
宮台真司×真鍋厚 なぜ社会はこんなにもクソなのか? ~暴力と排除をめぐる夜話~
著者の真鍋厚氏と、社会学者で首都大学東京教授の宮台真司氏とのトークセッション。
「私たちはどんな時代に生きているのか」「仲間とは一体誰のことか」――9・11事件からベルギーテロ事件に続く「テロとの戦い」からネトウヨ/ブサヨ叩きに象徴される日本社会を覆う「感情の劣化」問題まで、時事批評と映画などのサブカルチャー分析を通じて進むべき〈その先の未来〉を一緒に考えていく。 http://pundit.jp/events/1994/
取材・文/菅野 久美子
(かんの・くみこ)ノンフィクションライター。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人のリアル』(双葉社)等。東洋経済オンライン等で孤独死、性に関する記事を執筆中
(かんの・くみこ)ノンフィクションライター。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人のリアル』(双葉社)等。東洋経済オンライン等で孤独死、性に関する記事を執筆中
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