工学博士が読み解く『シン・ゴジラ』――ゴジラがデフレギャップを解消する
―[資本主義の限界]―
日本経済再生への足取りは鈍い。日本経済はどうしたら再生できるのか。「ゴジラが日本経済を救う」と、真顔で主張するのは、『資本主義の限界』を上梓した名城大学都市情報学部の木下栄蔵教授だ。確かに興行収入は50億円を超えるとも言われ、経済効果は高い。しかし、日本経済を救うとは大げさな気もする。その真意とは?
木下:経済効果云々といった微細な話をしたいわけではありません。もっと日本経済の根本的な問題と、その解決策を私は『シン・ゴジラ』の向こう側に見たのです。
――さっぱり意味がわからないのですが……。
木下:順を追って説明しましょう。先日上梓した『資本主義の限界』に書いたとおり、日本経済の苦境はデフレギャップがすべての元凶です。需要に対して供給が過剰、つまりいくらモノをつくっても売れない。消費者は欲しいものがないからモノを買わないし、売り上げの増加が見込めないなかでは企業も新たな投資には及び腰です。バラ撒いた紙幣はタンス預金や銀行に滞留し、デフレギャップが拡大する一方なのです。
政府・日銀が歪める金融市場
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1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。編集プロダクション「ミドルマン」所属。株、FX、仮想通貨など投資関係の記事を幅広く執筆。著書に仮想通貨の入門書『ヤバイお金』(扶桑社)、『FXらくらくトレード新入門』(KADOKAWA)など
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『資本主義の限界』 日本経済が延々と低迷を続ける理由は「たった1本の経済線」で解き明かせる! |
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