更新日:2022年08月14日 11:09
スポーツ

ストーンコールド“ロイヤルランブル”初優勝――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第240回(1997年編)

 エントリーナンバー3以降の入場は例年の“ロイヤルランブル”では2分ごとのインターバルが基本ルールで、PPVの前週までのTVショーでのルール説明では「今年度は60秒ごとのインターバルで――」となっていたが、いざフタを開けてみたら90秒ごとのインターバルで試合が進行していた。試合当日、バックステージでなんらかの“変更”が生じたのだろう。  この年の“ロイヤルランブル”のキーパンソンズは、5番めにエントリーしてきたストーンコールドと21番めにエントリーしてきたブレット・ハートのふたりだった。  最初にリングに登場してきたのが試合開始のゴングからちょうど4分30秒経過の時点で、最終的に試合終了のゴングが鳴ったのが59分30秒だったから、ストーンコールドはエブリマン・フォア・ヒムセルフ(自分以外は全員敵)というシチュエーションのなかで45分間ぶっつづけで闘っていたことになる。  ストーンコールドは序盤戦、フィニアス・ガドウィン、バート・ガン、ジェーク・ロバーツの3選手をたてつづけにオーバー・ザ・トップロープで失格させた。これがこれからはじまるワンマンショーのプロローグだった。  中盤戦にはオーエン、マーク・メロ、サヴィオ・ヴェガ、ジェシー・ジェームスの4選手をトップロープごしに場外へたたき落とした。だれもいなくなったリング上にストーンコールドがひとりで仁王立ちしている、という象徴的なシーンが合計4回もあった。  後半戦から終盤戦にかけてはストーンコールドとブレットのからみが試合の流れを決定づけた。50分6秒、ブレットがストーンコールドをトップロープごしに場外に投げ落としたが、リングの反対側にいたレフェリーがこのシーンを見落とし、場外転落で失格となったはずのストーンコールドは何食わぬ顔でリング内に戻ってきた。
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試合はそのまま続行され…
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