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ポール・ヘイメン インタビューPART2「ECWをつくった男」――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第245回(1997年編)

ポール・ヘイメン

ハードコア団体ECWはインディーでもメジャーでもないオルタナティヴとしてWWE、WCWに次ぐ第3団体に急浮上。いまから20年前のポール・ヘイメンのインタビューを再編集しておとどけする(Photo Credit:BILL OTTEN)

 1990年代のアメリカのレスリング・シーンに出現したECW(エクストリーム・チャンピオンシップ・レスリング)は、フィラデルフィアのECWアリーナを本拠地にハードコア・ムーブメントを巻き起こした。“眠らないニューヨーカー”の異名をとったECWプロデューサー、ポール・ヘイメンのインタビューを再編集しておとどけする(1996年取材)。

――「プロレスのオルガズム」というすごいコメントが飛び出しました。

「イエス、オルガズムOrgasmです。リングのまんなかに立っている自分を想像してみてください。どうして、自分はプロレスラーなのか。どうして、あなたがそこにいるのか。どうしてだと思いますか?」

――どうしてでしょう?

「アテンションattention(注意、注意をひくこと、注目を集めること)です。あなたはすべての観客の視線を一身に集めている。あなたは観られている、ということです。ではあなたはどうしたらいいのか」

――どうしたらいいんですか?

「あなたは観客にどうしてほしいですか?」

――応援してほしい、とか?

「リスペクトrespect(尊敬、敬意、尊重)でしょう。プロレスラーはふつうの人にはとうていできないようなことをやっているわけです。世界じゅうを旅しながら、肉体的・精神的な犠牲をはらいながらそれを大衆に披露しているわけです。観客はプロレスを、プロレスラーをもっとリスペクトすべきなんです」

「レスラーはいつでもベストなものを観客に提供すること。そして、観客はアプリシエーションappreciation(正しく理解、認識、評価する、感謝する)の気持ちを持つことです。ECWアリーナに集まってくるコアな観客は、そこのところをたいへんよく理解しています。レスラー・サイドには観客のアテンションを集める魅力と個性と技術があって、観客サイドは試合を正しく評価し、また感謝する感性を備えている。われわれはお客さんがお金を払って観る価値があるだけのプロレスをプロデュースするということ。それがレスラー、あるいは団体と観客の正常な関係でしょう」

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レスラー同士の人間関係は?

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