更新日:2022年08月14日 11:46
お金

安物や定額サービスは結局損をする――腕時計投資家・斉藤由貴生×メディアアーティスト・落合陽一が語る「現代の消費について」

売ってお金が戻ってくるなら、高価なモノを買ったほうが得

落合:最近だと、中古でも新品でも物価が下がってて、人がそこそこのクオリティのものを手に入れられるようになった。そんな風にあらゆるものが交換可能になったときに、最後に残るのはブランド品ということを斉藤さんは言いたいんですよね。 斉藤:ええ。価値があるブランド品を持つのが実はコスパが一番ということです。修繕を繰り返せば長持ちするという意味でも、のちに高く売れるという意味でもお得。収入に関係なく買えばいいと思う。僕なんか高校生で中古のロースルロイスを買った。だけど、それはお金を持っていたからではなく、売る前提だったから高校生でも買うことができた。結果的に売れてお金がある程度戻ってきたからいい思いができたわけ。金銭面だけで言えば、消費に貧富の差はほとんど関係なくて、高いモノはある程度の人は買えるはずだと思ってるから。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1255757
安物やシェア、定額サービスは結局損をする【斉藤由貴生×落合陽一】

斉藤氏が高校時代に購入したロールスロイス。中古で50万円で購入し、徹底的に整備をしてお金はかかったものの、最終的に140万円での売却に成功した

落合:腕時計、カバン、楽器、車など、たしかに高価なモノは残る。でも、一見、今の人には必要のないようにも思える嗜好品だけどね。 斉藤:買う時の値段は高くても、それを売るときの額を考えて買うと実質は差額で買えるわけですから。流されて中途半端なもの買うよりはブランド価値のあるモノを買った方がいい。やみくもに消費するよりは、がんばってお金を貯めてそのぶんいい物を見極めて買う方がいいと思うんです。 ――モノを所有しないという人も増えているように思います。ブランド品レンタルアプリが増えていたり、「買わなくていい」という流れすら感じます。 落合:今はほとんどのモノがリースでいい時代になっていますよね。IT系でも大抵のソフトが無料クラウドです。そんななか、クリエイティブ系やウイルス対策のソフトなど数年に1回は買い換えが必要なものもある。買い換えコストは払いたくない、そういう人が多いんじゃないでしょうか。 斉藤:いわゆる、アップデートやバージョンアップが予想されているものですね。iPhoneもそうだし。 落合:iPhoneはね、僕、よく落として割ってしまうから、その都度取り替えてもらっているんです。これ、購入というより、リースと変わらないですよね。服は所有したいけど、iPhoneはリース品という感覚。 ――車も持たない人が増え、カーシェアの需要が高くなっていますね。 落合:車もシェアでいいという人が多いですね。うちの妻はカーシェア派。愛知県出身で、よく車を買い替えて乗っているから、シェアでも抵抗ないみたい。iPhoneと同じ感覚かな。 斉藤:でもカーシェアって面倒くさくない? 例えば自分の車なら子どもが生れたらベビーカーを入れっぱなし、荷物も置きっ放しにできるから、自分で所有する車は必要になってくるはず。 落合:そこは子育て次第かなと思う。10年後にはまた変わっているかもしれないし。車を生活の一部として考えているなら、レンタルでも安いね。 斉藤:たしかに、タクシーのように移動手段の一つとして考えるならシェアという選択肢もありだと思うけどね。 落合:極端に言えばファストファッションだってレンタルでいいわけでしょう。流行が好きな人は、今それを着たいだけで、そのモノが欲しいわけではないから。
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何も考えずにレンタルだけで済ますと貧乏になる?
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もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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