更新日:2022年08月19日 10:17
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勝負運を上げるオススメ神社2つ【オススメ初詣スポット】

 『全国「一の宮」徹底ガイド』著者の恵美嘉樹です。初詣はどこに行くか決めましたか。基本的にはご近所の神社でいいのですが、どうしても実現したい願いがある!という人が、どの神社、まつられている神様を選べばいいのかについて、歴史的な背景から御利益を分析して、まとめました。(神様の優越ではありませんのであくまでご参考にしてください) 初詣

勝負の神 八幡さまのミステリーなお姿

 勝負ごとに御利益がある神様は結構多いのです。日本書紀でオオクニヌシに国譲りをさせた藤原氏の祖神「タケミカヅチ」、古事記で国譲りをさせた「タケミナカタ」、九州・出雲・東国を征服したヤマトタケル……。  なかでも、初の武家政権・鎌倉幕府を開いた源頼朝が氏神として信奉した八幡様は、その後、武士にとっての第一の勝利の神となりました。今でも、プロのスポーツクラブの多くは、八幡系の神社に奉納すると聞きます。  八幡様自体は非常に謎に満ちた神様です。なにしろ、古事記や日本書紀には出てこないのです。はじめて正史に登場するのは、日本書紀の次の正史「続日本紀」です。しかも、九州の宇佐神宮(大分県)なのに、まつっている神様は、日本最大の古墳(いわゆる仁徳天皇陵)の被葬者である可能性がたかい応神天皇なのです。  応神天皇と八幡神の関係だけで1冊の本が書けるくらいなので、さらっと書きますが、なぜ勝負事に強いかというと、八幡神は朝鮮半島に勝利した神様だからです。  応神天皇というより、その母の神功皇后という女性が軍を率いて半島を制圧した(応神はその頃胎児としてお腹にいた)という逸話がもとなのですが、この渡海作戦に重要なサポートをしたのが八幡様とされています。  九州の八幡系の神社にいくと、大きい扁額で「敵国降伏」という文字をみて、ぎょっとすることがありますが、今も昔も、日本と大陸はいろいろ着いたり離れたりを繰り返してきた証拠といえるかもしれません。  とはいえ、八幡様は排他的な性格ではありません。  752年に、奈良の東大寺大仏をつくるときに「わたくし八幡の神があらゆる神たちに協力させて絶対に大仏建立を成功させる」との神託を出しています。やるときはやるが、常に好戦的というわけではないのです。  この性質から、全国の神社の祭神ごとの数を国学院大学がカウントしたところ、見事に1位に輝いたのがこの八幡様でした。源氏の氏神であることで武士から保護され、さらに大仏のケースからも「お寺の守り神」として広く信仰されたから、江戸時代に一気に広がっていったのです。
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全国「一の宮」徹底ガイド

それぞれの地域でナンバーワンの神社を意味する「一の宮」。北は陸奥から南は薩摩まで、68カ国の一の宮を完全網羅!


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