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組織を追われた元ヤクザは海外で再起を目指す「裏風俗とケタミンのポン引きで月収数百万」

 1992年、暴対法が施行され、総会屋、地上げ、キリトリなど、いわゆる“民暴”を主な資金源にしていたヤクザは壊滅的なダメージを受けた。その後、04年改正暴対法の施行で使用者責任の追及が可能になり、暴力団組織の弱体化に繋がった。その余波は地方自治体にも波及したことは、歌舞伎町浄化作戦を見ても明らかだ。石原都知事(当時)が「ヤクザはヤクザでしかない!」と声を荒げ、歌舞伎町内に50台もの防犯カメラを設置。資金源となっていたみかじめ料の不支払いを徹底したのだ。  さらに、08年に改正がなされ、使用者責任の範囲が拡大される。そして10年に全国初の暴力団排除条例が福岡で定められると、翌年には全都道府県で施行されるに至った。彼らの銀行は凍結させられ、不動産は借りられないという悲惨な状況。その結果、組を離れる者、解散する組織が多数出るなど昨今の懐事情は厳しくなったといえる。  では、行き場を失った元ヤクザたちはどこに向かうのか――。  次第に、組織には属さない“半グレ”と呼ばれるギャング化した集団が台頭する。組織を追われた元ヤクザのなかには、海外でヤバいシノギに手を染めている輩も……。

異国の地・台湾でポン引きをする元ヤクザ

 現在は半グレとして暗躍するA氏と出会ったのは異国の地・台湾の某所。多くの酔客とポン引きで賑わう繁華街付近だ。

台北の士林夜市は観光名所として人気

 台湾は、一部のエリアでは“売春OK”という風俗大国。お持ち帰り前提のKTVと呼ばれるキャバクラをはじめ、本番アリのサウナ、そして141というピンポンマンション(日本では昔のマンヘルにあたる)にピンサロまである。しかし、どの風俗も平均2万円台はするので結構高め……。  そこで、女の子と格安でイチャイチャしたい場合、ポン引きに頼るしかない。およそ1万2千円前後で遊ぶことができる。とはいえ、日本と同じでボッタクリか優良店かは運次第である。  さておき、表向きは完全なカラオケ店。しかし、その実態は……という怪しい店とポン引きが多く集まるのが、A氏と出会ったこのエリアなのである。 「お兄ちゃん、ちょい待ちぃ~や! 日本人やろ!? 女の子でも探してんのかい!?」  そんなポン引きたちのなかで流暢な関西弁。懐にスッと入ってくる柔らかい物腰。どうやら彼は、日本人のようだ。年齢は30代半ばごろ。黒髪短髪に鋭い目つき。彼がカタギではないことは一目瞭然だった。  だが、異国の地で会った同胞。彼がなぜこのような地でポン引きをしているのか。筆者はアウトロー雑誌にも寄稿していたライターである。ネタ元のなかに共通の知人がいることも発覚し、すぐに意気投合。彼の“城”だという店で飲みながら、詳しい話を聞かせてもらえることになったのだ。

夜の裏路地は少し怪しい雰囲気

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台湾に“城”を持つA氏の正体とは?
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