母親が応援!? 「親公認AV女優」のリアル
――本書を書く前と今とで、「AV女優」に対する考え方は変わりましたでしょうか?
アケミン:彼女たちの生い立ちを聞くと、中には、貧困や親のDV、ネグレクトなど今の社会の問題も浮かび上がる例もあります。ただその不運を不幸としないたくましさ、圧倒的な自己肯定感の強さを感じました。
普段から裸を見せる仕事というだけあって自分の辛いところ、恥ずかしいことも言葉にできる彼女たちの言語化能力の高さにも驚きました。ちょっとぶっ飛んでいると思われがちなエピソードもありますが、そもそも普通ってなんだろう、世間の目ってなんだろう、とも考えさせられました。いろんな性癖の人、いろんな事情や背景を抱えた人が集まるAV業界の複雑さとおもしろさを伝えたいですね。
そしてなによりAV女優は「誰でもできる簡単なお仕事」ではない、と改めて思いました。そんな女優さんたち心意気、ちょっと固くいうと「表現者としての意識」がAV業界を変える力になるとも考えています。
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普段、何気なく観ているAVの裏側には、人間くさいドラマが渦巻く。過激だったり、センチメンタルだったり、誇らしくなるようなものだったり……ページをめくる指が思わず止まってしまう箇々がとにかくたくさん登場するのだが、そこにあるのは圧倒的なリアリティだ。女優、そして家族にとってのAVとはいかなるものなのか――ぜひ、体感していただきたい。
●著者プロフィール/アケミン
1978年生まれ。幼少期をアフリカ、メキシコ、ブラジルで過ごす。大学卒業後、映像翻訳のアシスタントや派遣事務を経て、2003年AVメーカー「DEEP’S」に就職。その後、「アイデアポケット」に転職、09年退社、フリーライターに転身。現在はスポーツ新聞でのコラムや男性誌でのAVレビューを主に執筆中。またイベント「スナックアケミン」も不定期開催。本書がはじめての著作となる。
取材・文/日刊SPA!編集部
『うちの娘はAV女優です』 「裸を売る仕事」をめぐる親子関係、価値観の変容を浮き彫りにする衝撃作!! |
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