映画関連の会社で働く中井沙知絵さん(仮名・28歳・世田谷区在住)は、職場で上司が口にするラ・ラ・ランドトークに辟易している。
「正直、私はラ・ラ・ランドにハマれなかった側です。『Another Day of Sun』とか音楽は素敵だし、特にオープニングシーンが好きだけど、ストーリーは陳腐。最後のオチも既視感があるし、泣けなかったですね。でも、職場では41歳の学習院卒の既婚上司が絶賛。先週『この歳だけどラ・ラ・ランドハマっちゃったよ。見るなら絶対IMAXで見てこいよ!』と私を含む事務のコたちにやたらとすすめてきたんですよ」
もちろん、沙知絵さんは上司の前で自分の感想など口にできない。さらに、その絶賛一辺倒の空気はFacebookではより濃くなっているという。
「ラ・ラ・ランドが微妙なことをFacebookで投稿できない雰囲気がすでに醸成されてますね。おじさんの絶賛投稿にはさらに別のおじさんから絶賛するコメントがつく。地獄です。『ラ・ラ・ランドマジでよかった』が前提で会話が始まるので、こちらは息を止めてじっとその場を耐えています」