雑学

「ラ・ラ・ランド」から「チア☆ダン」への流れを読む【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その158 ―

 最近の映画はアカデミー賞6冠に輝いた「ラ・ラ・ランド」の話題で持ち切りですね。さる男性週刊誌ではコラムのネタが「ラ・ラ・ランド」ばっかりで、被りまくってました。おじさん、おばちゃん世代に食いつきがいいようです。その理由を監督のデイミアン・チャゼルの演出から覗いてみたいと思います。

オヤジ受けする理由①「タラレバ」演出


 最近のヒット作では「君の名は。」が熟年世代号泣映画として注目されました。それと同じような構造が「ラ・ラ・ランド」にあります。すなわちラストにかけての「タラレバ」演出です。つまり、「もしあのとき、あ~だったら、こういう人生を送っていたかも」という自分の人生と重ね合わせて見せる演出に魅せられたのです。

 誰でも一度は体験するホロ苦い経験はあります。美人ピアニストが缶ビール片手に「リッチしよう」と言ったから、部屋飲みをしたけど、何も起こらなかった。あとでメールが来て「思い切って、エッチしようと言ったのに」って、ガーン、聞き間違いかよ~。まさか彼女の口から「エッチ」が飛び出すとは思いませんね。だったら口説けば良かった。すでに頭の中では「あの日~♪あの時~♪」って、小田和正の歌が、頭の中で走馬灯のように流れているし。

 このように、年配の方にとって「ラ・ラ・ランド」のタラレバ演出は、かなり尾を引くようです。

オヤジ受けする理由②ラストまで先が見えない


 デイミアン・チャゼルは「セッション」で一躍有名になりました。この2つの映画、同じ文法で作られているフシがあります。双方、最後の最後までどんなオチになるか、先が見えないのです。

 セッションではドラマーの若造と、指揮者の先生との愛憎やら確執やらのドロドロの師弟愛でラストに突入です。最終ステージでも大喧嘩するし、ほんとどっちに転ぶのか全く分かりません。

 「ラ・ラ・ランド」も同様に複数の展開が描かれ、結末が全く予想できません。MGMミュージカル映画にありがちな予定調和的ハッピーエンド結末はみじんもない。それが素晴らしいのです。

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オヤジ受けする理由③余韻がありまくり

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