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小池新党は都政を変えるか? 100万ユーザーの政治サイトを主宰、“人を巻き込む力”は群を抜いている――武蔵野市・鈴木邦和候補

選挙戦を支える「希望の塾」出身者

 公示日が近づき、街頭活動も本格化してきている。鈴木は「誰に支えられて選挙戦を戦ったが、その後の議員生活を決める」ということをつくづく実感するという。  その正確な意味は定かではないが、議員にとって、最初に顔が思い浮かぶ人たちは、選挙を支えてくれた人であり、その人たちのことを念頭におかずに政治活動を進めていくことは、ほとんど不可能だということか。 「ほかの方は、業界団体だったりするのかもれませんが、自分の場合は、希望の塾で出会った純粋に都政を変えたい、というメンバーです。最近は地域の方も手伝ってくださり、ポスターもすでに400枚が捌けていますが、これは組織を持たない新人候補としては異例の数字のようです」  選対スタッフとして鈴木を支える人々の顔ぶれは多彩だ。事務局長を務めるのは、鈴木の学生時代の後輩で25歳の若手だという一方で、国会議員秘書を長年にわたり務めた熟練のスタッフもいる。 「いま自分の右腕的存在として助けてもらっているボランティアのスタッフさんと出会えたのも希望の塾です。その方は、国会議員秘書を8年間務めた政治のプロです。彼も、都議選に立候補したいという想いは持っていて、選考では悔しい想いをしたのでしょうが、自分をサポートしてくれています。彼がいなければ、自分はこんなに動けていません」  インタビューの最後に、鈴木が有権者にいま一番伝えたいことは何か、と聞いてみた。 「今回の選挙は都政を変えるまたとないチャンスですと、伝えたいですね。自分は冷戦が崩壊し、失われた20年のなかで育ってきました。イデオロギー対立よりも、これからの世代が暮らしやすい社会をつくるという志向が強い。都民ファーストの会のメンバーとそういう政治を実現していきたいです」

「人を巻き込む力」と「推進力」が強み

 インタビューが終わった14時過ぎに、鈴木の事務所に再びお邪魔すると、20代の男性スタッフと女性スタッフが、作業をしていた。壁には武蔵野市全図の地図が掲げれていた。  ユニークなのが、出入り口のドアに貼られた「クニカズくんのお出かけ時チェック」というチェックリストだ。「上着もちましたか?」「歩きながらの飲食はやめましょう!」など、その内容は、まるで母親の小言のようだ。  本人は「いやあ、キレイごとじゃなくて、みんなに助けられているですよ」と笑うが、事務所でのやりとりを見ても、一体感があり、スタッフに支えられている様子が伝わってきた。  鈴木と同じような新人候補で、ここまで組織をゼロから作り、固められている候補は他にいないのではないか。東大時代のボランティア団体設立から、日本政治報道株式会社の起業、希望の塾での自主勉強会の立ち上げに至るまで、鈴木の群を抜いた「人を巻き込む力」と「推進力」は、政治家向きといる。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1349414  ただ一方で、鈴木自身が述べているように、「武蔵野市の皆さんは、『お前は何がしたいのか』と候補者本人を見ている」とすれば、「わかりやすさ」や「情報公開」というおきまりのフレーズや、「水道管の耐震補強」や「満員電車の解消」といった施策の提示だけでは物足りない。  便利さや、安全性、快適さを求めた対処療法はもちろん重要だが、それよりも一歩ふみこんだ、将来的なコミュニティづくりや街づくりの指針など、ある種の本源的な理念に基づくメッセージが求めらている。武蔵野市と東京都の将来的なグランドデザインを描ける言葉を、今後の鈴木には期待したい。 〈取材・文/河野 嘉誠〉
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