雑学

電車での“ながら使用”に最適なウェアラブルガジェットは? 山手線で試してみた

 スマートな生き方に憧れるものの根がズボラ。そのためスマートさとは、ほど遠い毎日を送る記者が一念発起し、“ながら作業”で充実した日々を送ることを決意! そこで、いかに効率良く“ながら作業”を行えるかを研究する「ながら部」を発足した。記念すべき第1回目の活動は、「電車での“ながら使用”」だ!

 今回は「電車で移動しながら映像を楽しみたい。でも、スマホやタブレットの画面じゃ物足りない!」というわがままな記者の“お眼鏡に適う”、映像を見ることができるメガネ型ウェアラブルガジェットをピックアップした。とはいえ、この手のデバイスを街中で装着するとなると、どうしても人の目は気になってしまう。そこで、装着時に一体どんな反応があるのか、山手線を一周し調査を決行した。

 はじめに試したのは「NEW ACCUPiX Mybud」(以下、Mybud)。100インチの仮想画面を実現し、3Dにも対応することが売りのデバイスだ。パッと見は「ターミネーター」に出てくるサングラスっぽく、実際は意外と厚みがある。どちらかといえば、VRゴーグルをコンパクトにした感じで存在感はなかなか。それゆえ、電車内では異様に注目を集めてしまった。

電車での“ながら使用”に最適なウェアラブルガジェットは? 山手線で試してみた

周囲の様子が一切見えないので、隣の人とぶつかってしまいそうになる場面も……。電車で使うには危険かもしれない

 すれ違った人や対面に座った人は必ずといっていいほど気づいていた。傾向としては、10~30代はチラ見程度のリアクションが多い。そして、年齢が上がるにつれ凝視、というよりも怪訝そうな目で見ているケースが目立つのだ。なかには、電車の端のほうから、張り込み中のデカのような視線で見つめるオジサマの姿も。意外と多かったのはチラ見後、あからさまに視線をずらす人。どこからどう見ても目立ちすぎるデザインゆえ致し方ない部分もあるが、「見てはいけないもの」と思われていたようだ。

 大まかだが我々が把握した範囲では、約120名の視線を確認。年齢はざっくりいうと、「10代:5%、20代:20%、30代:25%、40代:25%、50代以上:25%」、男女比は7:3程度であった。

 お次は、エプソンの「MOVERIO BT-300」(以下、MOVERIO)。こちらも大画面での映像を楽しむことができるデバイスだ。3D映像にも対応。シースルーになっているのでAR(拡張現実)感覚で、映像やアプリを堪能できる代物である。シリコンOLED(有機EL)による高画質・高コントラスト映像なので、屋外でも見やすいのがうれしい。

 先ほどのMy budに比べると、かなりメガネに近いMOVERIO。通常のメガネに比べると若干大きくなるものの、メガネに近いデザインが功を奏し、あまり視線が集まらなかった。さすがにすれ違いざまには視線を集めるものの、逆にいえばすれ違わない限り気づかれないし、スマホなどを見ている人がMOVERIOに気づいている様子もなかった。

電車での“ながら使用”に最適なウェアラブルガジェットは? 山手線で試してみた

シースルーなので周囲の状況をしっかり確認でき、長時間掛けても鼻や耳への負担がなく、“ながら使用”には適しているといえる。例えば、スマホをいじれない朝のラッシュ時に使用すれば時間を有効活用することができるにちがいない!

 興味深いのが、MOVERIOに気づき見てきた人がほとんど男性であったこと。しかも、ガン見や怪訝そうな視線はほとんどなく、興味本位の視線が多いように見受けられた。まあ、なかには二度見や降車しながらずっと凝視していた人もいたが、それも片手で足りる程度。

 デバイスはある程度の大きさがあるが、メガネに近いデザインなので、不要な注目を集めないことがわかった。視線を確認できたのは約54名。年齢層別の割合はざっくりだが「10代:10%、20代:25%、30代:25%、40代:25%、50代以上:15%」、男女比は9:1程度であった。

 ラストは「Vufine Plus」。他の2つと違って、メガネの片側に取り付けるタイプだ。デバイス自体は割とコンパクトなサイズなので、調査前にはもっとも目立ちにくいと思っていた。だが、実際には意外と視線を集めていた。メガネの片側に突起物がついているようなイメージなので、すれ違った人が違和感を覚えてしまうのだろう。二度見される回数が圧倒的に多く、「あー、メガネ型デバイスね」という反応ではなく、「なんか撮影してるんじゃないの?」という好意的ではない反応。渋谷駅付近で女子高生たちに気づかれてしまい、心のなかで「これは映像を撮っているんじゃなくて見ているの!」と叫んだものの、サササッと席を移動されてしまった。

電車での“ながら使用”に最適なウェアラブルガジェットは? 山手線で試してみた

通常のメガネに取り付けるタイプのため、逆に目立ってしまったのか隣の座席に座る人は少なかった……。

 視線を確認できたのは約96名。「10代:10%、20代:25%、30代:25%、40代:20%、50代以上:20%」、男女比は6:4程度。他の2つに比べて二度見や怪訝そうな視線が多かったことが印象的だった。

 肝心の使い勝手だが、My budは、「ながら」以前に鼻あて部分のクッション性がほぼないため、装着した瞬間に痛みを伴う。映像を楽しむどころではなかった。加えて、視界がほぼ遮られるため、乗客のジャマになってしまううえに、今どの駅にいるのか把握しづらい。電車で楽しむには不向きだ。

MYBUD装着後の痛々しい鼻。とても長時間装着する仕様ではなかった

 その点、MOVERIOはシースルーであるため、今いる駅の確認や他の乗客の妨げにはならない。My budに比べると没頭感はないが、“ながら”として楽しむにはちょうどいい使い勝手といえるだろう。

 Vufine Plusは、メガネに装着するタイプなのでもっともながら作業向きなイメージだが、片目だけではどうしても物足りなさを感じてしまう。肝心の映像を楽しめないため、スマホやタブレットでも十分という印象があった。

 ということで、乗客の反応と性能面を考慮すると、数あるメガネ型デバイスのなかでも、“ながら使い”にはMOVERIOがもっとも有効そうだ! また、山手線で実際にメガネ型デバイスを使ってみて、改めて「電車での、ながら作業」には最適なガジェットだということが判明した。

 もちろん、スマホやタブレットでも電車内で映像を楽しむことはできる。しかし、スマホやタブレットを操作するためにはどうしても手を使わなければいけない。そのため、少しでも混んでいる車両では周囲の人に肘が当たらないか気を使うし、両手を使う場合はつり革を掴むことができないといった経験は誰しもあるのではないだろうか。

 ハンズフリーになるメガネ型ガジェットを駆使して、「電車での“ながら作業”」を行い、忙しい毎日のスキマ時間を有効活用してほしい! ただし、映像に集中しすぎると、どうしても周囲への注意力が散漫になるので、ホームでの移動時、電車の乗降時ははずしたほうがよいかもしれない。<取材・文/SPA!ながら部>





おすすめ記事