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「こんな時代だからこそやるんです!」AVオープン2017の開催の裏には運営サイドの熱い思いがあった【カリスマ男の娘・大島薫】

見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

 昨年7月付近はAV業界が非常に騒がしかった。

 AV強要問題が明るみに出て、被害女性がインタビューに応じたり、警視庁でも芸能プロダクションの従業員を逮捕したという発表がなされたりしたのが、ちょうどその時期といえる。

 同じ時期にAV業界の祭典が開かれた。AVオープン2016だ。業界全体が騒然としているなか、AV業界を盛り上げていこうというイベントが開催され、その年の取材の申し込みは普段AV業界に見向きもしないような一般メディアも集ったという。

 これをお読みの方はご存じだろうが、AV業界への世間からの風当たりの強さは今年も変わっていない。

 しかし、2017年の7月12日、今回もAVオープンは開催された。2006年から始まったAVオープンは毎年毎年開催されてきたわけではない。しかし、ここ数年AV業界が騒がしい時期は、毎年AVオープンが続いている。

AVオープン2017公式サイト

 見ようによってはまるで世間を煽っているかのようなオープンさ加減だが、これにどんな意図があるのだろうか。AVオープン2017の事務局長を務める藤田秀幸さんはこう語る。

「今、AV業界が厳しい状況だからこそやるのかなと思っています。尻すぼみして何もやらないよりかは、我々もこういう業界なので、話題性があってナンボだと思ってるんですよね。頑張っている女優さんや、真面目に制作されているメーカーさん、楽しみにして頂いているユーザーさんのためにも」

 強気な姿勢だ。

 AVオープンは3年前から、主催が知的財産振興協会(IPPA)へと変わっている。IPPAはAVのメーカー団体であり、AVの著作権を保護したり、審査団体の自主規制によるAV業界の清浄化を計ることを目的に存在している。

 ある意味では、この状況でそういった団体がAVの祭典を開催することは、業界のクリーンさをアピールすることにもなるのだろう。

昨年「7冠」を達成した“たかしょー”の余波が?


 AVオープン2017への作品のノミネートは10部門に分かれる。部門ごとのジャンルはそれぞれ、女優部門、企画部門、マニア部門、フェチ部門、素人部門、ドラマ部門、ハード部門、人妻・熟女部門、乙女部門、ドキュメンタリー部門という構成だ。

 各部門へのエントリー作品は8月1日から公式HPで公開されているので、そちらでチェックできる。それを見ると、今回からは新しく「VR-1グランプリ」も同時に開催され、最新映像技術で撮られたリアリティ溢れる映像を楽しむことができるようになった。

著者。AVオープン2017の開会式会場にて

 この部門へのノミネートはAVオープン側が作品を区分けしているのではなく、各々のメーカーの判断に委ねられている。だから、超有名女優を使っていても、女優部門ではなくハード部門として提出することなども、メーカーの判断次第だ。

 また今回女優部門はノミネート作品が4作品しかない。AVオープンの関係者らに聞いたところ、「去年はグラビアアイドルからAV女優に転身した高橋しょう子さんが強過ぎて女優部門を含む7冠を達成しましたから。その影響からか、各メーカーも今年の女優部門へのノミネートには慎重だったようです」とのこと。さすがに有名メーカーも、プライドはあれど勝てない勝負はしたくないということなのか。ただのお祭り騒ぎかと思いきや、メーカーのグランプリへの情熱は生半可ではない。

 そういえば、ボクがAV女優をしていたころは、よくこんな話を聞いた。

「AVでよく売れるのは、ロリか熟女なんだよ」

 そんな売れ筋のジャンルが一つ消えようとしている。ロリだ。

 AVオープンでは乙女部門がそれに対応したジャンルとなる。今現在のAV業界の倫理基準であれば、すでにロリの表現が厳しくなっている。もうすぐ制服を使ったパッケージなども規制されるのではないかという噂も流れているが、そうなるともはやAVでどのようにロリを表現するかという問題になってくることだろう。

 また、昨今のAV強要問題によって打撃を受けているのがハード部門だ。台本があるフィクションだとしても、嫌がる女優を無理やり犯したりといった表現などは、近年の流れからいえば、いつ規制されてもおかしくない。

 つまりこれらは、AVオープン2017でもう見納めになるかもしれないジャンルというわけだ。

 事務局長の藤田さんは、こう続ける。

「今年の乙女部門やハード部門のエントリー数は多いですね。やはりメーカーによって企画やキャスティングにより、そういったそういうジャンルの作品を制作する事もあると思うので、、もしこういったジャンルが規制されてしまうと表現の幅が狭まってしまうのは残念ですよね。きっと見たいお客様もいると思いますので」

 クリーンな業界をアピールしていく必要性に迫られつつも、やはりキワドイ内容を規制されていくとそもそもAVを作れないメーカーが出てくる。ロリもハードも、それを売りにしているメーカーからすれば死活問題だ。

 来年、再来年に開催されるであろうAVオープンは、その年々の社会情勢や世論などを踏まえてみると、ノミネート作品に世相が反映されるといっても過言ではない。今の世の中が求めるクリーンさとはなんなのか。そんなことも考えつつ今回のエントリーに注目してみてはどうだろうか。

 引き続き、AVオープンに注目していこう。

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【大島薫】
作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru

提供/AVOPEN事務局





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