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集団痴漢したり、目の前で妻を寝取られたり、側溝に潜ったり……etc.「VR AV」ではメーカーの遊び心が爆発している【カリスマ男の娘・大島薫】

見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

 今回のVR-1グランプリのテーマは「主人公」か「第三者」かだと感じる。

VR作品を鑑賞中の著者

 今年も開催されたAVオープン2017の目玉企画として掲げられた「VR-1グランプリ」。この賞レースは昨今、目覚ましい進化を遂げる映像技術VRを使ったAVの頂点を決めようと、今回新たに用意されたものだ。各メーカーからノミネートされた渾身の49作品の中から、その頂点が決まる。

 AV業界もゲーム業界や映画業界などと変わらぬ予算の厳しい時代。売れた作品の後追いが絶えないのは仕方のないことだ。まだ日の浅いVRという技術を使ったAVの頂点が決まるということは、すなわちこれ以降の作品はその優勝作品を追随するようなものが増えるのではないかと予想される。

 そこで、ボクは今回のVR-1グランプリのノミネート作品をざっと見てみると、大きく分けて2つの傾向があると思った。

 それが「主人公」か「第三者」か、という2つの捉え方の違いだ。

■大島薫的「これが凄かったノミネートVR作品」

 つまり、視聴者がその作品に参加しているのかしていないのかという点が、VRの作品を企画するときに、非常に重要になっているのではないのかという点だ。

 実際に作品を例にとって挙げてみよう。

「VRちんシャブ大好き女スペシャル 神納花 枢木みかん 桜庭うれあ/レアルワークス」

 この作品は非常にわかりやすく、「主人公」視点の作品だ。ちんシャブをされるのはつまり、これを見ているユーザー自身で、女優が語り掛けてくるのはもちろん自分に対して。ユーザーは憧れの女優を前に、攻められ、VRカメラを取り付けた男優とシンクロする。


「【本物素人】ナンパ連れ込みVR303号室!高額謝礼に葛藤する18才の美少女大学生/コレ彦」

 こちらは逆に「第三者」視点の作品として振り切っている。女優も男優もまるでそこに観ているユーザーがいないかのように振る舞う。しいて言うなら、観ているボクらはAV現場のスタッフかなにかのような立ち位置で、2人のカラミを眺めることとなる。だが、よくあるナンパ物の現場を実際に間近で観察するような感覚は、お好きな方にはたまらないシチュエーションだろう。

 しかし、このどちらの視点からも観られるような面白い作品もノミネートされている。

「生中痴漢 VR/ナチュラルハイ」

 こちらは痴漢集団の一員になって、電車内の女性に襲い掛かるという、その手の男性の願望を叶えたような作品だ。この作品の面白いところは、主人公(つまり視聴者)は、ほかの痴漢男性と結託しながら、メインで女性を犯さないところだ。もちろん胸を揉むのに参加したりはするが、傍観者としての視点も多い。つまり、主人公でありながら、第三者でもあるというのが、集団痴漢というシチュエーションにおいては逆にリアルでこだわりを感じさせる。

 ついでなので、その他の作品についても、気になったものを挙げてみよう。

「側溝VR/TMA」

 毎回パロディや奇抜な企画で話題を作っているTMAというメーカーのVR作品。「生まれ変わったら道になりたい」という迷言を残して逮捕された、通称「側溝男」のニュースが流れたのが2015年の末ごろだっただろうか。2年の時を経て生まれたのがこのVR作品。その男性へぜひ教えてあげたい。ところどころ、上を歩く女性が下を向いたりする度に、「実はこれ見つかって終わるオチなんじゃ……」とドキドキさせられるのも面白い。惜しむらくは、なぜ側溝の上側の視点を正面にしてしまったのか。寝ながら見て上空が上だったら完璧だった。

「泥酔NTR 会社のBBQに僕の妻を連れて行ったら、寝取られ中出し乱交セックス飲み会になってしまった… 碧しの/胸糞VR」

 最後はもうメーカー名にVRを入れてしまっている「胸糞VR」というメーカー。今回のVR-1グランプリにノミネートされたこちらの作品以外にも過去に作品を発売しているが、そのすべてがVR。そして、テーマは胸糞が悪くなるAVというから、非常に限定的な作品が多い。

 先に述べた主人公と第三者という意味でいえば、こちらは完全に主人公目線の作品だ。いまやほぼ常識となったNTR(ネトラレ)を、VRで撮影することによって、より目の前で妻が他人に抱かれているような感覚を疑似体験できる。野外でBBQをしている写真がパッケージに入っており、タイトルにもBBQ中に妻が寝取られたかのような表記になっているが、実際のプレイシーンは室内だった。これも野外での撮影が現在厳しく規制されてしまった波を受けての妥協案か。少し寂しい。

■VR作品は今だからこそ「メーカーの遊び」が楽しめる

 このほかにも、180度しか撮影ができないといったVR作品の常識を打ち破った360度見渡せる斬新な作品や、ニューハーフ物・女装物のVR、なぜかゲイ物の作品まである。各メーカーがこぞってこのVRを使った何か新しいことに挑戦をしようとしているのだ。

 まあ、ぶっちゃけ言うと、おそらく売り上げで判断するという審査基準でいうと、たぶんおっぱいがブルンブルン揺れて、女優がドエロくて、マニアック要素は少なめなベタな作品が一番売れるのだろうとは思うのだが、なんというか、結局それがスタンダードになってしまったらつまらないなと、個人的には思う。

 名作も駄作も生まれる業界だからこそ、発展するし、活気があるものだ。冒頭で書いたが、なにもこれはAV業界に限ったことではない。すでにコミックスで売れた作品にしか予算が下りない映画業界、「〇〇さんの〇〇みたいな作品」という内容でしか企画の通らない出版業界。小規模な利益を追いかけてリスクを負えないいまの時代ではどこだってそうだ。

 だからこそ、まだ”売れ筋”の決まっていない、いまのVR作品ほど面白い。自由に遊べ、企画が通り、もしかしたら、万が一奇をてらった作品が一番売れてしまう可能性をはらんだいまのVRが面白いのだ。

 いつかVRAVが「ああ、よくあるああいうやつね」なんて言われてしまう時代が来る前に。AVメーカーたちの本気の遊びを目にしてみよう。

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【大島薫】
作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru

提供/AVOPEN事務局





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