老害化する40代が増えたワケ…なぜ若い世代に迷惑をかける行動をとるのか?
上の世代からは絶えずこき使われ、下の世代からは突き上げをくらい続ける40代。ただでさえ苦労が絶えない彼らへの風当たりは、ここ最近、さらに厳しさを増している。
「ことあるごとに『俺がお前くらいのときは、お前の5倍働いていた』と唾を飛ばしながら言ってのける41歳の係長。経営環境がシビアになり、マルチタスクが当然のように求められる今と係長が若手だった15年前。どちらの仕事がより負担が大きいか、真っ当な人なら比べるまでもないはず。ただただ不愉快」(27歳・メーカー)
「大した仕事もしていないのにいつも社内をフラフラ。それでいて、お願いごとをすると『ちょっと今、バタバタしていて』と苦笑する43歳の先輩。最低限の仕事もやらないならとっとと消え失せてくれ」(32歳・広告)
こうした40代に対するフラストレーションを若い世代が抱くことは決して珍しくない。本来であれば働き盛りとされる40代だが、いつからか老害認定される存在になりつつあるのだ。
「かつての『老害』よりも圧倒的に若い40代が、老害化し出したのはある意味、自然なことです」
そう指摘するのは、業種や規模に問わずさまざまな企業の内情に精通する経済評論家の加谷珪一氏。
「市場はシュリンクし、日本企業は合理化の名のもとにポストを減らしてきました。もはや業務の最前線では戦う能力も意欲もなくしてしまい、真っ当な評価で勝負できない層が、限られた既得権を守ろうと下を抑える方向に思考回路が進み、早々に『老害』に堕ちてしまったと考えられます」
数多くの企業の再生を担ってきた経営コンサルタントの中沢光昭氏は「40代が抱く焦りが老害化の引き金になっている」と分析。
「40代以上の『終わった社員』ができる仕事やポストが減少の一途を辿っていることが、彼らの焦りを助長させました。生命の寿命は延びる一方で、職業人生の寿命が短くなっていくことへの焦燥とイラ立ちが現代の40代の心を狂わせ、その結果、周囲のひんしゅくを買ってしまっています」
不毛なマウンティングに存在感を誇示したいだけの言動、周囲の貴重な時間まで奪う迷惑行為。罪深き老害化する40代は、こうして職場を今日も跋扈しているのだった――。
【加谷珪一氏】
経済やビジネス、マネー、政治など多分野で執筆を行う。著書に『組織で上に行く人は「どこ」で差をつけているのか?』など多数
【中沢光昭氏】
数多くの企業再生の現場で陣頭指揮をとってきた経営のプロフェッショナル。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』がある
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!11月28日号「アナタも兆候あり!?[老害化する40代]がヤバい」より
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