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神戸製鋼、ジョンマスター…日本で偽装表示が相次ぐ理由

 食品、アルコール、化粧品、衣料品から住宅、建材に至るまで定期的に問題になる「偽装表示」。最近ではオーガニックシャンプーで知られるジョンマスターオーガニックの成分偽装表示が発覚したり、戦後日本の鉄鋼業界を支えた神戸製鋼の強度品質表示の偽装が明らかになった。こうした「偽装表示」はなぜ起こるのか。

偽装

相次ぐ偽装表示は日本経済の衰退を象徴している?


「大きく分けて、消費者の品質への要求度、コスパ意識が高くなっているにもかかわらず、企業側がその要求に応える体力、管理能力がなくなっていること、流通がグローバル化して表示の基準が国内と海外両側面からの対応が必要になっていることが理由として考えられます。さらに、日本企業特有の見て見ぬふりをする大企業体質が加わり、発覚したときは取り返しのつかない状態になっているというわけです」

 こう指摘するのは、流通ジャーナリストの渡辺広明氏。

 特に食料品や衣料品は「安くても産地がしっかりしていて、安全で、高品質」が当たり前とされる時代だが、「消費者のコスパ至上主義が生産者へのプレッシャーとなり、『高品質を謳わなければ売れない。でも品質向上のためにかける予算はないから偽装表示や、法律違反ではないにしても消費者を混乱させるようなグレーゾーンの表示が増える』という構図。もちろん偽装表示をする側が悪いのですが、高品質を保つにはコストがかかるのは当然だということを消費者はいま一度意識すべきかもしれません」

偽装 加工、流通がグローバル化している点も偽装表示に拍車をかけている。

「海外で生産した食品を最終的に日本で加工して日本産と謳ったり、海外産と国産が交ざった加工食品でも国産と言い切ったりというのは当たり前のように行われています。また、これらのほとんどは違法ではなく、食品表示法の範囲内で行われています。今年の9月からすべての加工食品の原料について原産地を表示するように食品表示法が改正されましたが、’22年までは猶予期間となっています。品質を気にするのであれば、パッケージの謳い文句ではなく、意識的に裏側の成分表示を確認すべきでしょうね」

【渡辺広明氏】
流通ジャーナリスト。ローソンに22年間勤務。店長、スーパーバイザー、バイヤーを経験し、約600品目を商品開発。’14年より、TBCグループ、インセルのチーフマーチャンダイザー

― [偽装表示]にダマされるな ―





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