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座間9遺体事件、大手マスコミの取材方法に賛否の声――ネット時代の“メディアスクラム”問題

ネット取材の正しいやり方はだれもわからない

 一方で、今回の事件を担当した大手新聞社の事件担当記者が、座間事件におけるマスコミの「メディアスクラム」を次のように回顧する。 「事件がツイッターなどのSNSを発端に起きていることもあり、マスコミ全社がSNS上で取材合戦を繰り広げた。被疑者、被害者を知っている、とつぶやくユーザーに、マスコミが一斉に押しかける。まさにメディアスクラムでした。『被疑者を知っている』とつぶやいた人物が経営する店に記者が殺到し、全員がボッタくられたこともありました。このような取材方法がいいとは思えませんが、今はまだネット取材について、誰も正しいやり方がわからないのです」  座間事件の取材をめぐっては、マスコミ各社でその検証と、方法論の見直しが行われている。ほとんどは“悪い面”ばかりがあぶり出された格好だが、前出の女子高生のように、ネットを通じた取材から、真実が明らかになる“良い面”が存在するのも事実だ。女子高生はその後、マスコミに対する見方を変えた。 「当時マスコミがひどかったのも事実。でも私たちがマスコミを敬遠すれば、真実も伝わらない。今、ネット上では、マスコミに嘘の情報を教えようとする人たちや、私が取材に応じようとしても誹謗中傷や邪魔してくる人たちがいる。ひどいマスコミよりも、その人たちはもっとひどい」  今、まさに過渡期にあると言っても過言ではない既存メディアとネットの関係。是々非々な意見が多くを占めるが、マスコミもネットユーザーも、お互いに「人間」であることを忘れてしまえば、そこには混乱に満ちた、希望のない社会だけが作り出され続けるのだ。 <取材・文/山口準>新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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