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投資家目線で38万円の中古セルシオと1000万円のアストンマーチンを乗り比べてみた

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。腕時計に限らず良いものをお得に消費する日々を送っている私ですが、クルマはというと、現在38万円で買ったトヨタ・セルシオに乗っています。  以前の記事では新車の軽自動車とセルシオ比較してどっちがお得かということを考察しました。その記事から半年経った現在に至るまでセルシオに不具合箇所はなく、計算通りお得に高級車に乗れている状態です。しかし、高級車といっても私のセルシオは38万円で購入したもの。そのため、「本質的には高級車でない」と批判する方もいるかもしれません。  ということで今回は、どんなに安い中古でも1000万円以下では入手できないクルマと比較してみたいと思います。

アストン・マーチンラピードとトヨタ・セルシオ

 そのクルマとはアストンマーチン・ラピードです。最近、化粧品会社を経営する友人がラピードを購入し、彼の好意によってセルシオと比べさせてもらうことができました。  アストンマーチンといえば、ジェームスボンド愛用のクルマとして有名な超高級車。ラピードはラゴンダ以来十数年ぶりに復活したアストンマーチンの4ドアセダン車で、新車価格は2000万円を超えるクルマです。  ちなみに、ラゴンダは“社名”でも“ブランド名”でも“車種名”でもあります。DBシリーズで有名なデビットブラウン氏が経営する時代に統合された経緯があり、1960年代にはラゴンダブランドでラピードが存在していました。現代のラピードはその名前を復活させた由緒正しいクルマといえるでしょう。  私は今回、アストンマーチン・ラピードを一般道、首都高速、常磐道と約200kmテストドライブさせてもらい、普段乗っているセルシオと比較。結論を先にいいますと、38万円で買ったセルシオは、1000万円以上するアストンマーチンと大きく違わないという感想になりました。 ◆大きく違わない点 【エンジン】  アストンマーチンはV12エンジンを搭載。一方のセルシオはV8エンジンであるため、文字で見るとかなり大きく違います。しかし、乗ってみるとセルシオのV8エンジンはとても緻密で滑らか。アストンマーチンのV12に対して「大きく違う」とはならないのです。また、加速感も「セルシオが遅く感じる」というほど違うわけではなく、それはアメリカで公開されている車両の0-60mph加速を見てもわかります。  ラピードの5.3秒に対してセルシオは6.2秒。確かにアストンマーチンのほうが早いですが、軽自動車とセルシオのように「明らかに違う」という感じにはなりません。ただエンジン音はだいぶ違い、ラピードのV12は「ブオーン」と良い音が鳴ります。

ラピードは6リッターV12エンジン、セルシオは4.3リッターV8エンジン

【乗り味】  アストンマーチンのほうが見るからに速そうで、実際コーナーでも安定感があります。一方セルシオは、初めて乗ったら手に汗握るほど頼りない感じがするでしょう。けれども実は意外と粘る特性を持っており、サーキットでなければポルシェなどにもついていける性能です。そのため、首都高や常磐道を走った感想としては、ラピードがセルシオより「明らかに速くて凄い」と感じる側面はありません。 【快適装備】  本革シートの品質や、シートヒーター、静粛性などの快適さは両者ともさすが高級車というレベルです。セルシオにもラピードにも高級車御用達の高級装備がたくさんついているため、大きく差を感じません。例えば、ラピードのドアには二重ガラスが採用されていますが、静粛性はセルシオのほうが上。しかし、車内の香りや雰囲気はアストンマーチンのほうが当然ですが勝っています。セルシオだけ乗っているぶんにはとても高級感を感じますが、アストンマーチンからセルシオに戻ると高級感が薄まった感じがします。

アストンマーチン(上)はイタ車のような良い革の香りがする。セルシオ(下)も革の良い香りだがアストンと比べると負けてしまう

【周りの人の反応】  ロールスロイスなどの超高級車に乗っていると、ほかのクルマの動きや歩行者の目線など、他人のリアクションがひしひしと伝わってきますが、ラピードは良い意味で地味なためそのような反応がありませんでした。アストンマーチンという超高級車ですから、視線を集めるかと思いきや、これは意外な結果。セルシオは当然、視線を集めるようなクルマではないため、この点については両者互角だといえるでしょう。
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