更新日:2022年11月20日 10:53
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2017年、新聞5紙は「トランプ大統領、北朝鮮」をどう報じた? 比較すると見えてくる特徴

「北の脅威」も新聞それぞれ?

 そして、トランプ大統領と並びその動向が世界から注視されたのが金正恩。2月の金正男の暗殺事件、たび重なるミサイル発射実験に核実験……。北朝鮮情勢は頻繁にニュースに取り上げられた。 「北の脅威」を報じ続けているのが産経だ。今年(~12月8日)の社説で触れた回数は200回。その頻度、ほぼ2日に1回。逆に社説で取り上げた回数が最少なのは日経で、わずか4回。しかも、衆院選や世界経済を語る際の地政学リスクとして簡単に触れるだけ。 「日本は戦後最大の国難に見舞われている」(9月4日)、「あらゆる手段により、異常で凶暴な体制を締め上げるべきだ」(9月5日)という産経の熱量と比べると、「北の脅威」も新聞それぞれのようだ。

★荻上check:ネタの選択、見出しに個性が出る国際報道

 何を報じるか報じないかは編集方針があるわけで、「偏向だ!」と憤る必要はありません。パラダイス文書については、取材を続ける朝日以外、共同通信の配信をもとに記事が作られるので、どれを載せるか、どんな見出しをつけるか、何面に載せるかで、新聞のスタンスが見えてきます。  日経が国内株式市場に影響しそうな点に着眼しているのは納得だし、産経は北朝鮮には強い関心があるけれど、とてもドメスティックだということがわかる。ジンバブエのクーデターについて毎日の報道数が多く、意外にアフリカに強いのかなど、国際報道にも個性が出るものです。 ― 今年のニュース[新聞5紙]はどう報じたのか? ―
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すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

「バイアスのないメディアなど存在しない」という前提に立ち、その「クセ」を詳らかにすることで、分断する社会で溢れる情報とつきあう具体的スキルを提示する一冊

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