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「社畜」って結局、会社員として基本的なことをやる人

「プライベートより仕事優先」「自分の意に反しても会社の命令には絶対服従」――そんな話を聞けば、誰もが心の中で「社畜か。気の毒に」と呟くだろう。だが、彼らは本当に「気の毒」なのだろうか。大して会社に尽くそうとせず、かといって独立する気概もなく、中途半端に会社に居続けるあなたより、彼らのほうがずっと成功しており、幸せなのではないか?

◆「幸せな社畜」になるための5つの習慣

【1】とにかく「失敗しない」を最重要課題に

5つの習慣「社畜」として評価されるのに、独創的な企画を提案したり、誰もが頭を抱える社内の難問を解決したりする必要はない。重要なのはただひとつ「失敗しないこと」!

「『社畜』という生き方をバカにする人ほど、つまらないミスを重ねる。仕事の納期を平気で1日遅らせたり、相手の名前の漢字を間違えたメールをそのまま送りつけたり。小さなミスは大きな成功で挽回できると思っているのか、とにかく基礎がいい加減なんですね」と嘆息するのは、著者『社畜のススメ』が話題の藤本篤志氏。小さなミスでも、積み重なれば会社の信頼を失うのには十分だ。

「自分なりのやり方」にこだわり、周りに学ぼうとせず、行き当たりばったりなやり方で失敗するのも「アンチ社畜」人間の悪いクセ。

「『失敗は成功の母』なんて言われますが、実際には『失敗は自信喪失の母』。根拠のない『トライ&エラー礼賛』は即刻やめましょう」

【2】2倍の量と2倍のスピードを目指せ!

「社畜」にとって「言われたことをその通りにこなす」のは至上命題。だが「余力があるのに言われたことしかやらない」のでは、「クレバーな社畜」とは言えない。

「ここはラクをしようとせずに『倍々理論』を実践してください」と説くのは、現役のカリスマ広告営業マンとして活躍する後田良輔氏。

「企画を10個出してくれと頼まれたら20個出す。1週間で納品してほしいと頼まれたら3日で納品。2倍の量と2倍のスピード――つまり『倍々』で対応するんです。キャパシティが増えることは、そのまま評価に繋がります」

 無論、いつもの自分のやり方では行き詰まることもあるだろう。そんなときは、身近な「仕事が早い人間」のテクニックを観察して、そのまま盗むべし!

【3】ビジネス書は必ず「前書き」から読め!

 向上心のある人ほど、積極的に自己啓発書やビジネス書に目を通してきたはず。ここに最大の落とし穴がある、と藤本氏は指摘する。

「ビジネス書を読むと、地道な努力はいかにも報われず、デキないサラリーマンのやることだ――という印象を受けます。でも、そうしたビジネス書の著者だって、実は“社畜”的な下積み時代を経ていることを忘れてはいけません。勝間和代さんの『断る力』にも、前書きの部分に<かつては上司に言われたことを素直に淡々と実行していた>という記述があります。ですが、本文のキャッチーな部分だけ読むと、そうした努力は本来ムダなものであり、もっと頭のいいやり方がある……と読めてしまう。これは凡人にとっては非常に危険なメッセージです」

こうしたミスメッセージを鵜呑みにしないよう、必ず「前書き」や「著者プロフィール」にも目を通すべし。多くの著者に「社畜」の痕跡が見つかるだろう。

【4】バレンタインには女性社員にチョコを贈れ!

これまで「社畜」をサボってきた人は、社内の人間関係にも疎いはず。自分の仕事と直接関係のある人には丁重に接していても、それ以外の人は名前も満足に覚えていなかったりするから困ったもの。親しい人間が社内に多いことは、思っている以上の財産となる。

そんなあなたには、「釣り同好会」といったサークルレベルのもので構わないので、いずれは何らかの「派閥」に属することを推奨したい。だが、その前に「もっとも身近な、同じフロアの女性社員」を味方につけるための秘策を、後田氏に伝授してもらった。

「例えばバレンタインデー当日に、チョコレートを10個ほど用意しておいてください。社内の女性から義理チョコをもらったら『僕からも』と言ってお返しをするんです」

バレンタインデーを「男から女に日ごろの感謝を伝える日」と考え、ホワイトデーではなくあえて当日に「贈り返す」作戦だ。

「女性は細かな演出に敏感なので、この意外性が喜ばれます。これが『逆チョコ理論』です!」

【5】職場の「昔話」を古参の社員から聞き出せ!

会社への愛情が薄い人であれば、昔話なんかには興味を持ったこともないはずだが……。

「いわゆる『社史』に精通しろというわけではなく、“職場の歴史”を学べということ。例えば『今のままではウチの会社はダメになる。こう改善しなくては!』と意気込んだところで、実は以前にも似たような方法を試してみてうまくいかなかったという経緯があるかもしれない。天才的なヒラメキを持たない凡人こそ、過去の流れを踏まえたうえで、今何をすべきかを考えるべきなのです」(藤本氏)

社内の飲み会では、うだうだと仕事の愚痴などに終始せず、「あのプロジェクトが立ち上がったときは、どういう状況だったんですか?」など、過去に繋がる話を積極的に振っていくべし!

【藤本篤志氏】
USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任した後、’05年、グランド・デザインズを設立。著書『社畜のススメ』(新潮新書)が話題に

【後田良輔氏】
累計30億円以上稼ぐ現役大手広告代理店の営業マン兼スーパー副部長。著書に『ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)も話題

イラスト/コヤナギユウコ
― 30代のための社畜幸福論【3】 ―




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