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メタラーによるジャパメタ蔑視を打ち破ったX JAPAN――「紅」とYOSHIKIの突破力

<文/山野車輪 連載第19回>

YOSHIKIのTV出演での振る舞いに各方面から感嘆の声


 2017年~2018年の年末年始にかけて、X JAPANのリーダーYOSHIKIは、ドキュメンタリー映画『WE ARE X』のプロモーションとして、TVのバラエティ番組などに出演した。

X JAPANの封印された歴史を描く、ハリウッド制作のドキュメンタリー映画『WE ARE X』。2016年に上映されるや、世界20以上の映画祭に出品。世界中のマスコミや評論家から高評価を獲得し、米サンダンス映画祭最優秀編集賞はじめ数々の賞を受賞した。(映画『WE ARE X』公式サイトより)

 前年12月に『しゃべくり007』や『第68回NHK紅白歌合戦』に出演し、後者では「ENDLESS RAIN」でのピアノ演奏から曲が「紅」に変わると、ドラムセットに座り、手術後初のドラム演奏を披露した。

 元旦に放送された『芸能人格付けチェック』では、ワインの格付けの際の配慮ある発言が素晴らしかったと、ネットでニュースになるほど話題になり、好印象を与えた。

 また、『マツコの知らない世界』や『ダウンタウンなう』にも出演し、YOSHIKIおよびX JAPANの壮絶な歴史の数々が紹介され、お茶の間に感動を与えた。前者は、「自称YOSHIKIのすべてを知っている」という女性プレゼンターのさかいさんにも賞賛が集まった。

 『NHK紅白歌合戦』を除くYOSHIKIが出演したバラエティ番組はいずれも、YOSHIKI出演中に異例の高視聴率を記録した。YOSHIKIが見せた共演者などへの細やかな気遣いや、おかきをポリポリ食べる意外な姿は、Xファン以外の視聴者のハートをも掴んだことだろう。気品、周囲への配慮、天然キャラが同居するYOSHIKIに、各所から感嘆の声が上がっている。

 YOSHIKIは、音楽的才能と努力でもって、自力で這い上がってきた本物のスターだ。筆者は、1989年のメジャー・デビューからのファンだったりする。

 X JAPANは、V系(ヴィジュアル系)の始祖として有名だが、デビュー前は、もっとも熱かった80年代後半期の関東インディーズメタル・シーンで揉まれ、這い上がってきたバンドだ。

 今回は、X JAPANの代表曲「紅」を核に、インディーズ時代の彼らについて、語ってみたい。

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メタラーからバカにされていた“歌謡メタル”

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