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メタラーによるジャパメタ蔑視を打ち破ったX JAPAN――「紅」とYOSHIKIの突破力

実は“ボツ曲扱い”だった「紅」

『ロッキンf』1988年6月号付録「紅(Original Japanese Version)」(筆者撮影)

 「紅」に代表されるように、“歌謡メタル”の音楽性を持つXは、洋楽メタルのメディアや洋楽メタルを尊ぶ人らなどの「体制側」からは否定的に捉えられていた。『BURRN!』(1986年10月号、シンコー・ミュージック)のレビュー欄で取り上げられたDEMENTIA(Xの元ベーシストTAIJIが一時期在籍していたバンド)の「STRUGLE FOR REVEL」のレビューにて、「“スピード歌謡”みたいな『X』よりは好感持てるけど」(点数は43点)と、とばっちり的に書かれたこともあった。  またXには、歌謡曲の要素のみならず、ヘヴィメタルとは対立関係にあったハードコア・パンクの音楽性も内包されており、正統派ヘヴィメタルの要素は薄かった。にも関わらず、メンバーらは、「ヘビメタ」のバンドマンとして、当時TVのバラエティ番組に出演していたのだから、体制側メタラーから嫌われるのも無理からぬことだった。  「紅」は、バンドの初期の頃から演奏されていたが、HIKARU(宇高光)<b>とJUN(高井寿)<g>在籍時の1986年春から秋頃は、演奏頻度が低かった。「紅」は、「オクラ入り」はしていなかったので、「ボツ曲」ではなく「ボツ曲扱い」ということだったのだろう。
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YOSHIKIにとっては「紅」は「メイン曲扱い」だった
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ジャパメタの逆襲

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