銀座最年少ママを支えた「伝説の黒服」の話――桐島とうか<漆黒革の手帖>
こんにちは。桐島とうかです。
銀座で懸命に働くホステスたちが、突然なにかの縁で「自分のお店を持った」という話は一度くらいは聞いたことがあるかと思います。私も実際、
「自分のお店を持ちたいなら、僕はいつでも出資するからね」
と、声をかけて頂いたことがあります。お客様に実力を認められ、お店を持たせてもらっているホステスも私が知っているだけで数人おります。ただ、それはホステスだけではなく、お店で働く男性「黒服」がその仕事ぶりを認められ、お店を持たせてもらうケースもあります。また、引き抜かれたり、優良企業に就職するケースまであったり。むしろ、黒服のほうが、お客様が出資したいと思うことが多いように私は感じています。
そこで今回は、「銀座の黒服」について綴らせて頂くことにします。
まず、黒服の仕事を簡潔に説明すると、営業前はお店の清掃から始まり、担当ホステスの出欠確認、お客様の来店予約の確認、テーブルセットをして、営業中はお客様のエスコート、ホール接客、ホステスの付け回しなどです。営業後は店内の片付け作業、在庫の確認や発注までを行います。
銀座の黒服の勤務時間は、お店にもよりますが、社員だと、15時半から2時くらいまでの店舗が多く、お店の規模にもよりますが、お給料は月給25万くらいから、出世をして偉くなると3桁稼ぐ方も少なくないのだそうです。また、アルバイトになると、時給1500円から1700円程のお店が多いそうです。
では、どういった黒服が出世をするのか、また、どういった黒服がお客様に見初められ自分のお店を持つなどするのだと思いますか?
まずは出世をする黒服について。それはやはり、お客様やホステスからの支持が多い黒服です。ホステスの売上はもちろんその女性自身の努力の成果でもあると思うのですが、それを支援する黒服の力量は、ホステスの売上に大きく関わってくるのです。また、できる黒服はホステスよりも熱心にお客様にメールや手紙を送るため、ホステスを気に入って通っているお客様方が、そのホステスが辞めたとしても、黒服を気に入って、黒服を頼りに、来店し続ける事も多いのです。
私も、今まで一緒に働いた黒服の中に1人、毎日感嘆させられてしまうような男性がおりました。
彼は、私のいるお店で働くようになって、初日のうちにホステス全員の名前を完璧に覚え、ボトルキーパーのお客様の名前も一度で覚えてしまい、お客様がいらっしゃるとすぐに、その方のボトルを誰よりも早くテーブルに運ぶのです。
「黒服」が、スカウトされたり優良企業に就職したり…
感心するような仕事ぶりの黒服がいた
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’92年生まれ。’15年に学習院大学経済学部卒業。学生時代に起業して失敗し、水商売の道に進む。銀座にあるクラブ「Monterey」でママを務め、お店に来ている顧客数は2500人、個人の月間売り上げは1000万を越える。習い事はフラメンコ、ゴルフ、料理。趣味は仮想通貨投資、競馬、着物など
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