更新日:2022年12月28日 18:02
仕事

超絶ブラックな下請けIT企業「残業代なんか払ったら潰れる」

改革しても食えなくなれば終わり

「働き方改革なんて、 現場を知らないか底辺を知らない人々が机上の空論であーだこーだ言ってるだけでしょうね。改革改革と聞こえのいいことばかりを言って、改革しても食えなくなってしまえば我々は終わりですよ?」  結局「三六協定」を勝ち取ったと喜んでいた上司は、会社内で浮くだけでなく、経営陣とも対立するようになり、上司に賛同した社員は目を付けられ、それぞれの所属長から「文句があるなら辞めてもらっていいよ」と釘を刺される事態にまでなった。 「孫請け・ひ孫請けの超絶ブラック企業で、年中人材不足です。毎月のように人が辞めていきますが、残った我々がさらに業務量を増やし、残業や休日出勤で補えば何とかなるという自転車操業が続いています。まあでも、今に始まったことではなく、この会社ができた時からそういう状態だったんです。自転車操業できないなら、今すぐに辞めてどうぞ、という匕首を常に突き付けられているのです」  哀れすぎる話だが、背に腹は代えられないということで、日々の生活、今日の食事のために最悪な環境下で黙々と文句も言えず働き続ける蟹江さんや社員たち。働き方改革だ何だと政府やマスコミがはやし立てるが、蟹江さんの例だけを取ってみても、彼らがいかに何も考えていないか、現場の実情を知らないかは明らか。  彼らが、蟹江さんのような人々にフォーカスする時が来るとは、とても期待できなそうである。<取材・文/森原ドンタコス> ― 不満続出! “働き方改革”のリアル ―
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