更新日:2022年12月30日 09:57
仕事

人材業界で働く30歳OLが気づいたこと「どんなに意識が高くても3年で息切れする」

肉食業界特有のパワハラ、そして社内不倫

 定時で帰っても白い目で見られることなどはなかったそうが、高橋さんの会社は“数字がすべて”という会社だったようだ。  中途組は不動産、証券、保険業界などのタフな業界から流れてくる人も多く、営業数字のプレッシャーはキツい。数字が出せないと肩身が狭くなってみんな辞めていくのだという。 「私もそうですが、採用の際にそういうストイックな方針は示されていましたし、そういう環境にやりがいを感じて入る人が多い。少なくとも当時は福利厚生とか残業代とかも一切なかったけど、どうでもよかったです。でも、人材業界は基本的にキャラ営業の部分が大きいので、女性でもガンガン稼いでくる。なので、産休・育休とかは比較的手厚かった印象があります。男女比も半々くらいで男女差も一切なし、むしろ女の方が強いくらいでパワハラ・セクハラもなかった。パワハラが激しい企業って、不倫とか社内恋愛も盛んなんですよね。“上司としちゃった”とかもよくありましたね(笑)」  そんなシビアな業界に志高く入社した高橋さんだが、肉食系の企業はどこまでも高い数値目標の達成を求められる。若い頃はよかったそうだが、30歳を手前にしていつまでもそんな働き方は続けられない、とふと気づいたという。 「転職を決めた直接のきっかけは異動ですが、肉食系の職場はどんなに意識が高くても3年もいると息切れすると直感したのが大きかったです。自分が躁状態のような、ハイな気分が続いているときはいいですが、その後急激についていけなくなるとうつ病になる。現在は総合人材サービス系の企業に転職しました」  年収は前職と比べても遜色ない額だそうで、現在はコンサルティング営業として働いているそうだ。転職先でのやりがいや居心地も悪くはないそうで、2回目の転職は全く考えていないとのこと。インセンティブが強い人材業界の場合、志が高い時期には徹底的に会社にコミットできるが長期的に考えると、思わぬ罠が潜んでいるのかもしれない。<取材・文/伊藤 綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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